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jubeat 譜面コンテスト 優勝しました

はじめに

 先日、jubeatの新作「jubeat Ave.」が発表されました。そして、そのテーマ曲『Explore Every Ave.』のEXT譜面がコンテストにて募集され、幸運にも私の譜面が最優秀譜面に選ばれることとなりました。応援してくださった方々、アプリで遊んでくださった方々、本当にありがとうございます。まもなく稼働ということで、実機の方でも是非よろしくお願いします。

 さて、譜面コンテストは今後も随時開催されるということで、今後の皆さんの道標となるように、私が意識したことを書き留めていこうと思います。私自身の備忘録としての一面もありますが、あまり触れられない裏側として割と読みごたえがあると思いますので、ぜひ楽しんでいただければと思います。

 今回に限らないことですが、譜面作りで意識するのは次の4つです。

  • コンセプト

  • 音取り

  • 配置

  • ノーツ数(jubeatではチップ数と言いますが、以降もノーツ数で統一します)

それに付随して、譜面コンテストということで意識したのが次の2つでした。

  • 譜面名

  • 納期

この6つについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。

コンセプト

 まずは、この譜面がjubeat Ave.にとってどういった位置づけになるか、そこから出発しました。アイデアとして浮かんだのは2つです。

  • jubeat Ave.の顔となる、看板を背負って立つ譜面

  • jubeat Ave.の入口として、初心者から上級者まで楽しんでもらえる譜面

大層なことを書いていますが、要は「幅広く、長く楽しんでもらえる」譜面にしようということです。それを具体化していくと、「分かりやすく」「演奏感があり」「少しの研究や覚えゲー要素で伸びしろがある」というまさにjubeatらしい要素を詰めればいい、ということになります。というか、大体の譜面はこういう意識で作っています。
 そうなると難易度も9.xぐらいになるかなと思いました。今だと10.2ぐらいまでは低難易度扱いされてるのかもしれませんが、それは初心者にハードルが高いかなと感じます。曲調的にそこまで高難易度にする余地がなく、今までのテーマ曲も9.2~9.7程度に収まっていたので、そのあたりを目指しました。

音取り

 音ゲーたるもの、正確に採譜してナンボです。自分が聞こえる音や叩きたい音に引っ張られることなく、客観的にどう聞こえるかというのが第一に意識すべきことでしょう。普段は他機種の曲で譜面を作ることが多いのでその機種の譜面を参考に音取りをしていますが、今回はそういったアテになるものがないので苦労しました。
 音取りのコツがあるとすれば、「引き算と足し算の塩梅」だと思います。jubeatには1秒ルールというものがあり、一部の例外を除いてマーカー出現の間隔は1秒(その中でも大半は1034ms)以上となっております。それに当てはめて考えるとbeatmaniaのように全ての音を拾うというのは現実的ではありません。そこで「絶対に取らなければならない音」をベースとして、曲調の変化によって「足すことができる余地」を残すことが大事かなと思っています。
 今回の私の譜面だとサビとアウトロがあてはまります。サビは1回目も2回目も最小限の音取りにしていますが、2回目のほうがやや複雑になっています。アウトロも同様で、中盤の同様のメロディにバスの音が強調されているので、それを拾うようにしています。
 正確に音を拾うというのは、この曲に限っては誰もできていないんじゃないかと思います。譜面コンテストは基本的に減点方式だと思うので、音取りを妥当なものに近づけて減点を抑えるのは重要と言えるでしょう。

配置

 非常に感覚的な部分なので説明が難しいですが、普段から意識しているのは「少しの研究が活きるようにする」ということです。これも具体的に書くと「真ん中2列を片手で取れる(=自由度が高い)と楽になる」譜面というのが一つの答えになります。私の譜面では、曲を通してそういった配置が多数含まれています。そこをちょっと出張することで、あたかもスキップしているかのような気分で楽しむことが出来るでしょう。
 もう一つ大事なのは「キメを逃さない」ということです。サビ前の三連符なんてまさにこの曲のキメと言えるフレーズで、ここの配置は最初に決定しました。先ほど譜面コンテストは減点方式と書きましたが、ここは数少ない加点箇所だと思います。逆にここを逃した譜面は、厳しいですが他がどんなに良くても選ばれないだろうなと感じました。
 あとは「極端に片手を酷使させない」というのも大事です。親指のゴリ押しなど指の流れが厳しい譜面にならないように心掛けてます。jubeatで使われるのは基本的に親指、人差し指、中指辺りまでだと思うので、その3本の指で無理なく押せるように、厳しい場合は出張すれば綺麗に押せるようにするというのが難易度設定の部分でも役に立つかなと思います。
 とにかく配置は人それぞれの個性が出る部分です。キメを逃さないというのは概ね間違ってないと思いますが、それ以外の部分は人それぞれの思惑や意識があると思います。ぜひそのこだわりをコメントで教えていただければ幸いです。

ノーツ数

 意外とみなさん意識していない部分ですが、私のようにノーツ数ありきで譜面を作る人も少ないとは思います。シャッターボーナスに絡んできたり、本家でも1116などノーツ数を意識した譜面があるので、譜面のバリエーションを増やす意味でも注視するのは悪くないと思います。(ノーツ数は単なる結果に過ぎないというのが主流の考えなのは承知してます。)
 当初完成した譜面は690コンボでしたが、なんかそれがしっくり来ない。ノーツ数が683以上となるとシャッターが重くなる関係上682以下に抑えたかったのですがそれを超えてしまいました。それなら700コンボ超えてた方が見栄えが良いなということでアウトロのバスを拾うようにした、という裏話があります。結果的にはそれが功を奏しました。

譜面名

 最初に言っておきます。次回以降のコンテストに参加する方(私もですが)、絶対に譜面名はこだわってください。確か譜面名が審査対象になることは明言されていませんでしたが、だからといって譜面名を設定せず初期の「新しい譜面」で投稿するのは、就活で「自由な服装でいらしてください」って文言を真に受けて私服で来るのと同じだと思ってます。
 譜面名がプレイの部分(譜面や音取りなど)に影響することは全くありません。しかし勝ち残って最優秀譜面として選ばれるなら、その譜面名も最優秀たるものでなければいけません。なぜなら発表の瞬間、皆が納得するべく格を備えている必要があるからです。ちゃんとスーツで着飾りましょう。

 ところで『誰もが世界の探究者』の由来についてですが、「explore」という単語に探究するという意味があるので、そこから着想を得ました。また、jubeatの運指は人それぞれ、それこそ無数にあります。自分だけの運指を追い求めるというニュアンスも込めて、「誰もが~」という言葉を入れました。「世界の」についてはAve.というところから世界各国のアベニューをイメージしました。個人的には七五調になっているのがポイント高いと思っています。これが10分弱で降りてきたネーミングセンスに乾杯。
 「explore every avenue:あらゆる可能性を考慮する」というイディオムになっているらしいのですが、それには気付かずむしろ良かったと思いました。

納期

 これもあまり気にすることではないと思いますが、実際に譜面スタッフとして携わるのであれば、仕事の早さとクオリティを両立する必要があると考えました。アプリの仕様上、譜面制作はこの上なくだるいんですが、ASAPの心がけは大事かと思います。(私はその考えを仕事に活かしてください…)

最後に

 ここまでお読みいただきありがとうございます。他にも細かい事ですがいくつか大事なことを挙げた後、まとめに入ろうと思います。

  • jubeat analyserで作成した動画をアップしない

jubeat公式で行っている大会のため、外部ツールを使っているのを見せるのは好ましくないと思います。使うことを否定はしません。私も使いました。

  • 常日頃から色々な譜面を作る(低難易度含め幅広く)

  • 他人の譜面へのリスペクトを忘れない

  • 公式の譜面制作者へのリスペクトを忘れない

 この記事を書いている間にもjubeat Ave.の稼働日が告知されるかと思いましたが、音沙汰はなし。近いうちに稼働されると思うので、私の想いとこだわりが詰まった譜面を楽しんでください!
 次回以降の譜面コンテストにも参加する予定です。連覇狙いますので、ディフェンディングチャンピオンとして挑戦お待ちしております。

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