千疋屋の桃に愛を込めて
今年も千疋屋総本店の桃パフェを食べる時が来た。
毎年春はいちご、夏は桃パフェを必ず食べる。
美味しすぎる。このパフェを食べるために日々生きているといっても過言では無い。
老舗フルーツパーラーであるからして、もちろんフルーツが抜群に美味しい。
瑞々しさと華やかな甘さは市販で買えるものとは比べ物にならない。
そしてフルーツ以外のアイスやジュレもこれだけで完成されているほど美味。
これらが素晴らしいバランスで構成され、まさに "parfait" 完璧の名に相応しい逸品。
今年は日本橋高島屋の千疋屋で頂くつもりだったのだが、なんと桃のデザートコースなるものが限定メニューとしてあるではないか!
お望みの桃パフェもミニサイズながら付いているし、この他4品とドリンク付でお値段は通常の桃パフェと1000円も違わない。
これは食べねば…と。
そしてその内容が桃パフェを超える素晴らしさだったので備忘録として感想を記しておこう。
○白桃のノンアルコールカクテル
酸味のある爽やかな味わいのノンアルカクテル。
桃は山梨県産の浅間白桃とのこと。
少し甘めに感じたが、スタートにちょうど良く適度な酸味が美味しい。
りんごっぽい味がしたので果汁が入っているのかも。
○合鴨スモークのサラダ 桃ドレッシング
サラダには桃のドレッシングとキヌアがかかっている。
合鴨スモークの塩味と桃の甘さがマッチしていて好きな味。
サラダと合わせてさっぱりといただける。
ナイフがフルーツ用の刃の無いものしかないため鴨が少し切りにくかったが、美味しさの前には瑣末なこと。
普段お肉の脂身は苦手で食べないのだが、鴨の脂は他の肉類に比べ不飽和脂肪酸の含有量が多く、栄養素も豊富。べったりとした重さがないので食べることが出来た。
○白桃シャーベット
桃パフェにも入っているシャーベット。
なめらかでさっぱり。上品なお味。
異常に暑い毎日にひんやりと冷たいシャーベットがしみる。
一瞬でなくなった。
ところで上に乗っているミントは食べる派ですか?
私はミントもパセリもレモンも食い尽くす派。
もったいないからというだけでなく、奴ら栄養もあるし味変になって良いぞ。
○桃のクレープ
フルーツは桃の他にレモンとブルーベリー、エディブルフラワーで見た目も可愛らしく、添えられたシナモンパウダーがふんわりと香る。
ハイビスカスの入った桃のソースと生クリームと一緒にクレープに巻いて食べる。
ソースやフルーツの配合を変えながら自分好みに食べられるのが楽しい。
一つ一つが美味しいのでどう食べても美味しくなることは間違いないが、個人的にはシンプルにクレープと桃ソースのみの組み合わせがそのままの美味しさを引き立てて良かった。
色々混ぜて複雑な風味を味わうより、それぞれ素材の味で食べたい派。
○桃のミニパフェ
念願の桃パフェー!
上からフレッシュな桃に、桃のシャーベット、エディブルフラワー入りの酸味のあるシャリシャリ氷、バニラアイスと底には程より甘さのジュレ。
通常の桃パフェを小さくしたものかと思っていたのだが、このデザートコースのみの特別バージョンのよう。
通常の桃ソースや生クリームがない代わりにジュレやエディブルフラワーでさっぱりと、コースの最後でありながらくどくなくいただける。
上に乗っている桃も約4切れ程、3分の1玉以上はあるように思う。柔らかくて水分たっぷり美味しい。
定番の桃のシャーベットに、酸味のあるエルダーフラワー入りシャリシャリ氷が味をキュッと引き締める。新しい桃パフェとの出会い。
底まで辿り着くと優しい甘みのジュレと濃厚なバニラが混ざりいっそう華やかなパフェへと返り咲く。
それぞれで食べてみてもいいし、混ざりあって変化が出るのもまたパフェの良いところ。
そしてバニラアイスがやはりとんでもなく美味しい。
口溶けのなめらかさが他の店のパフェに入っているアイスとは段違い。
なめらかを通り越してもっちりとした食感に、甘いミルクと濃厚なバニラの香り。
美味しすぎる。
悲しいことがあってもこのバニラアイスを食べれば辛い思いも吹っ飛ぶだろう。
乳脂肪にはそういう力がある。実体験。
ミニパフェだからこそアイスが溶けすぎてしまう前に味わえたのだ。
いつもの桃パフェも愛おしさすら感じる美味しい桃を存分に味わうことができて大好きだが、今回は桃のデザートコースを選択して大正解だった。
少しずつ違った桃の味わいや調和を楽しむことができたし、なによりひと皿ずつゆっくりと味わうことが出来た。
パフェだとどうしてもアイス類が溶けきらないうちに食べてしまわねばと焦りがあるのだか、コースだとそれがなかった。
美味しいものはやっぱりゆっくりじっくり味わうのが1番だ。
来年もまたこのデザートコースがあるかは分からないが、最高の桃パフェを食べるために頑張った生きていようと思う。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?