ギリギリ(2014.11.13)

今日は番組の定例会議があったのである。
これも、また川本総監督へのプレゼンの場である。
何をプレゼンするのかというと、それはもう色々なのである。
色々あるので、会議に提出するための資料を作るのも大変であり、
この資料というのが、かなり重要なのである。
僕のチームはAD藤井を始めとして、
締め切りギリギリタイプの集まりなので
いつも会議直前に資料が出来上がる。
AD藤井は
「うーむ、なんでいつもギリギリなのか、
これは真剣に一度話した方がいいのかもしれないなぁ。
僕はもうギリギリはイヤだなぁ。
イヤだなぁ、ギリギリは。
…あれ?妖怪大事典はどこだ?」
と、大きな声で独り言を言っていた。
すると、AD澤田はその声が聞こえていたらしく
「藤井ちゃん、それはね。
少しでも資料をいいものにしたいと思っているから、
ギリギリになってしまうのだよ。
ギリギリをバカにしてはいけないよ。
この資料はもちろんただの紙だけれども、
僕たちみんなの思いがつまっているのだよ。
つまり宝箱のようなものなのだよ。」
と言っていた。
僕も確かにそうかもしれないなぁと思った。
しかし、AD徳地の考えは違った。
「確かに澤田さんの言うことも一理ありますょ。でも、ちょっと考え方が浅いんじゃないですかね。
僕はやはりギリギリは良くないと思うんですょ。
まあ、ギリギリになったとしても
間に合えばいいとは、思うんですょ。
でも、ギリギリには色んなリスクがありますょ。
もしかしたらコピー機が壊れるかもしれないんです。
会議の場所に行くまでに電車が遅れるかもしれないんです。
ギリギリだとそういうトラブルが起こってしまうとアウトです。
僕たちはそういうリスクを回避しなくてはならないんですょ。
いくら高価な宝物がたくさん入った宝箱でも
それを売ることができなければ、価値はないでしょう。」
とAD徳地は言うのである。
僕も確かにそうかもしれないなぁと思った。
AD澤田は何も言葉が出ないようで、コホンと
一度咳払いをしていた。
藤井は妖怪大事典をどこかに置き忘れたらしく
色んな人に電話をかけて探していた。

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写真は妖怪大事典をなくして途方にくれているAD藤井

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