「わたし・あなた・わたしたち」を問わない限り、価値はない
講演や研修を担当したり、受ける機会が多くなると、様々なデータに出会います。
「××割の夫婦が○○と回答してました」
「男性のxx割は、このように考えているようです」
といった調査結果など。
たとえば、「花王 生活者研究センター」から発表されているこんなデータがあります。
この10年間の「家族」にまつわる意識の変化。
・現在の生活に満足している
・お互い干渉しない家族がいい
・家族のことも大切だが、その前にまず自分のことを優先的に考えたい
・子どもとは友達のような対等な立場で接していきたい
などの観点でまとめられています。
リーマンショックや東日本大震災などを経験し、男女ともに気持ちは移り変わっているようです。
時の流れと気持ちの変化がおもしろいなと思いながら記事を読みました。
僕だったら・・?と考えてみると、
■現在の生活に満足している
⇒不満はゼロではないので、「ややそう思う」
■お互い干渉しない家族がいい
⇒それぞれの領域もあるから、「ややそう思う」
■家族のことも大切だが、その前にまず自分のことを優先的に考えたい
⇒妻と比べると「あてはまる」が強いかな
■子どもとは友達のような対等な立場で接していきたい
⇒友達感覚はちょっと違うかな。「あてはまらない」で。
こんな感じですね。
僕が、ここですごく大事だと感じていることがあります。
それは、
「自分はどうなんだろう?パートナーはどうなんだろう?」
と考えること。
『世の中の傾向』みたいなものはあるかもしれませんが、やっぱり人によって違って当然です。同じ人でも、その時の周りの状況や心の状態によって変わることだってあるはずです。
自分が講演会などで話すときには、そう力説しています。
というのも、
私はこんな感じで子どもたちに接してきたけど、世の中はそうではないやり方を求ているように感じていて、そのプレッシャーに毎日押しつぶされそうになっています。
といった悩みをお聞きすることもあり、心苦しく思っているからです。
本でもインターネットでも、子育てや夫婦関係に対する情報がたくさんあって、『その通りにいくことが正解だ』と圧がかかっているのではないでしょうか。
こういったデータに出会ったときには、
「自分はどうなんだろう?」
「パートナーはどうなんだろう?」
「夫婦でどうしたんだろう?」
と、「わたし・あなた・わたしたち」を問わない限り、価値はありません。
むしろ、害にすらなってしまいます。
自分たちが少数派でも、自分たちにとってはそれが正解です。
多数派の意見を参考にすることはあったとしても、それに合わせる必要はありません。
今回ご紹介した「花王 生活者研究センター」の調査結果が公開されたのが、ちょうど一年前(2017.12.12)。
年末年始は、この一年間を振り返ったり、年が明けて「今年こそは!」と想いを新たにするタイミング。
情報をきっかけにして、「わたし・あなた・わたしたち」はどうなのかを問う、会話の時間を大切にしてください。
最後に。
もしも、「違うけど大丈夫かな?」とか、「私は少数派だった・・・」とか、気になる時には、
・共有したい人としっかり話し合う
・自分と違う意見の人にたくさん出会う
・(たとえば、カウンセラーのような)白黒つけずに聴いてくれる人に、ただただ聴いてもらう
といった作戦をおススメします。
それではまた。
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