歴史と経済36〜商店街〜

かつて商店街は賑わいを見せていた。
しかし、今ではシャッター街と化してしまっている商店街も多い。

代わりに郊外にショッピングモールができて、そこで買い物の全てが成立する。

商店街とショッピングモールの違いは何だろうか?
商店街を行き来すれば、ご近所さんや顔見知りの友人と出会い、そこにコミュニケーションが生まれるだろう。

ショッピングモールに行けば、お馴染みの服屋の店員と会話が弾むかもしれない。
しかし、食料品コーナーでレジの店員と顔馴染みになることは少なそうだ。
あくまで、ここでは客と店員という関係から抜け出ることはなさそうだ。

典型的な無言社会が成立する。
家を出て、帰ってくるまで一度も会話を交わさずにやり過ごすことも、その気になればできてしまう。

一方で、商店街はどこかコミュニティ感がある。
見知った顔や親しい関係があるならば、無視することはできない。

効率性を追求した結果、コミュニケーションは削ぎ落とされた。
確かに、コミュニケーションは面倒なこともある。
摩擦や厄介な問題を引き受ける可能性もある。

しかし、人間関係ができた組織は強さも発揮する。
1人ではできないことも町ぐるみで協力して乗り切ってしまうことがある。
シナジーを発揮して、全力を出し切ることで活気が生まれる。

言葉にできない雰囲気の良さや規律のある町は住み心地も格別だろう。

これから環境問題やSDGsなどに取り組む時代が到来するだろう。
そんな状況において、経済効率だけを追求することは御法度な時代となっていくだろう。

自然や人、文化を織り込んで人間らしい生活を人それぞれが追求し、つながり、実現していく社会が求められていくに違いない。

そして、そこにテクノロジーを積極的に取り入れていくことが重要となる。

まさに、今潮目が変わりつつある時代に、私たちは生きている。
そして、決断して行動することが求められているのではないか。

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