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神などいらぬっ…! クビ…!

『人生を逆転する名言集2』著:福本伸行(竹書房、2010/6/4)


「神などいらぬっ…! クビ…! 
お払い箱よ こっちから!
 死ねっ…! 神など死ねっ! 
上だっ…! おまえよりわしが…上!」


血液をかける狂気の「鷲巣麻雀」にて、「鷲巣巌」は悪魔じみた天才「アカギ」と勝負をして1100㏄の血液を失い、死が目前まで迫っている状況にいた。
そして配牌は最悪。死が目前に迫る中で、神、運、ツキ……すべてから見放されたような状況で豪快に言い放つ。

「わしに最初 神などついていなかった…!
 神懸りは途中からだ…!
 わしはまず自力で何者かになり…
 その剛腕に神は後からノコノコ乗っかってきたのだ…!
 つまり奴は強い者の尻馬に乗ることばかり考えている…
 日和見主義ってこと…!
 ゆえに窮している者 弱っている者
 そういう者の力になど一切ならん…!」


神ですら自分より下に位置付け、さらにクビまで宣告する男 鷲巣巌!
以前、紹介した『人生を逆転する名言集』著:福本伸行(竹書房、2009/10/5)と今回の名言集は何が違うのかを真っ先に挙げるとこの鷲巣巌の名言が多く掲載されていることではないでしょうか。


熱くて、しびれて、誰もが一度は言ってみたいセリフが満載です。
ギャンブル漫画の通り、勝負ごとに関する名言が非常に多く、どの名言も感心させられます。

「アカギ」「カイジ」「銀と金」「黒沢」など、多くの作品にそれぞれのキャラクターの個性が際立った名言が多くあります。
その中で、作品は違えど多くの名言を生み出しているのは誰かと考えると、それは作者である福本伸行先生ということになります。

言い換えれば、福本先生が「アカギ」であり、「カイジ」であり、「黒沢」であり「鷲巣巌」でもあるのです。

福本先生はどうやってこの数々の胸を打つ名言を生み出しているのでしょうか。
福本先生はなぜこんなに熱いのでしょうか。

それを紐解くヒントが巻末のインタビューに掲載されています。
このインタビューでは福本先生が漫画を目指し、挫折した時のこと。上手くいかなかったときに3~4時間ファミレスで自分を見つめるための日記を書いていたことなど多くのことが書かれています。
退路を断って「ちばてつや大賞」を受賞するまで、「食えれば上等」からブレイクするまで、漫画を描き続ける原動力、人生に勝つために必要なこと、などインタビューが行われています。
「カイジ」が「ヤングマガジン」で連載されることが決定した際に「絶対当ててやる、当たらないはずがない、俺のマンガは面白いんだっていう気持ちでやったよ。不安もあったけど、これを成功させるか失敗させるかどうかで俺の人生はかなり違うという感触はあったからね。」という言葉や「無為を恐れないこと」「勝ち負けよりも勝負し続けること」など非常に熱い内容になっており、福本先生の中のいる「カイジ」「アカギ」などが垣間見ることができます。

福本先生が生み出す名言は福本先生が歩んだ人生が生み出したものだと感じることができます。

「奇跡なんて望むな…!」
 だってそうだろ…!
 ‘勝つ‘ってことは… そんな神頼みなんかじゃなく…
 具体的な勝算の彼方にある… 現実だ…!
 勝つべくして勝つ…!」

この言葉を思い浮かぶくらい、福本先生は漫画に懸けてきたと思うのです。

そして福本先生の「カイジ」は読者からの圧倒的な支持を得て大ヒットし、編集長の態度を変えることに成功します。


ぜひ、皆さんも福本先生の本を読み、熱くなり、しびれてください。