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100年前の言葉『働く理由』

著:戸田智弘(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2007/7/12)

『生きるために働く必要がなくなったとき、人は人生の目的を真剣に考えなければならない』
これはイギリスの経済学者ケインズが1930年に出した「100年後の予言」です。
現在、BIの導入も検討され、この予言通りに時代が進んでると考えられます。「経済的に豊かになること=幸福」という価値観を共有できなくなってきています。

『金は食っていけさえできればいい程度にとり、喜びを自分の中に求めるようにすべきだ』
これは作家の志賀直哉の言葉になります。お金を稼ぐのは、ある大きさのパイをみんなで奪い合う「ゼロサム型」であるが、仕事を通じて得られる喜びを増やしていくのは、パイ自体をどこまでも拡大していける「プラスサム型」です。

『最初の仕事はくじ引きである。最初から適した仕事につく可能性は高くない。しかも、得るべきところを知り、自分に向いた仕事に移れるようになるには数年を要する。』P・Fドラッガー
『一生のうちでいちばんたいせつなことは、職業の選択である。ところで、それを決めるのは、偶然なのだ。』パスカル『パンセ』(白水社)
なぜ、自分はこの職業を選んだのか?その問いに対して誰が明確に答えられるのでしょうか。

「『まず、はっきりした職業の目標を持ちなさい。そうしなければ、やる気は湧いてこないものだよ』私はこうした考えを正しいとは思いません。これを恋愛に例えるとどうでしょう。『まずは未来の配偶者を決めなさいと、デートを始めることもできない』といったことになるのでしょうか。これではナンセンスです。」ジョン・クランボルツ

本書に記載されている言葉は、簡便ですが多くの含みを持たせ、様々なことを気づかせてくれます。『仕事』に対する解釈を多くの人々から授けられることでしょう。過去の偉人は未来のことも見据えていたと本書を読んで気づかされました。