マガジンのカバー画像

アナリストが教える!株価レーティングで成功する投資術

20
機関投資家の需給動向を読むためには、証券会社がは日々発行するアナリストレポートが欠かせません。 アナリストの事情に詳しい証券アナリストの「大野よしまさ」がアナリストレポートの株…
運営しているクリエイター

記事一覧

業績と株価の関係は?最高益更新をチェックすべき理由

あたりまえの話ですが、好業績の銘柄の株価は上昇します。 しかし、投資家は何年か先の業績を株価に織り込みに行きます。 つまり、好業績でもそれが一過性のものだと、株価も息の短い上昇にとどまることが多いのです。 株価はどこまで好業績を織り込んでいるのか分からないのが、株式投資の難しいところです。 アナリストも独自に企業の業績を予想します。 アナリストレポートを読む際には、業績推移も見るようにしましょう。 私はグロース株の場合、会社予想に対して大きく上振れそうか、来期以降も成長が続

投資家を惹きつけるアナリストレポートとは?

個人投資家にはなかなか手に入りにくいアナリストレポートではありますが、もし本文を読む機会があったら、気にしてほしいことがあります。 それはアナリストの言葉のニュアンスというか、簡単に言うと言葉尻です。 なぜなら、ここからアナリストの本気度を探ることができるからです。 例えば、「~と予想する」と「~と予想される」という文章があった場合、どちらの方が自信があるとおもいますか?前者の方が自発的であり、強い文章となりますよね。 特に分かりやすいのが形容詞の使い方です。 例え

目標株価との乖離が大きいほど良いというのは間違い!?

アナリストレポートでは、アナリストの業績予想の修正に伴い、目標株価が引き上げられたり、引き下げられたりします。 当面の株価の動きを占ううえで、私は、目標株価と足元の株価がどれだけ離れているか、乖離率に着目しています。 ちなみに「買い」の「株価レーティング」が付与されている銘柄は、+10~20%程度の乖離率が一般的です。 では、乖離率が大きければ大きいほど良いのでしょうか。 そういうわけでもないようです。 ごくまれに2倍近くになるものもありますが、乖離が大きすぎると逆

株価レーティングの「新規」「変更」「継続」からターゲットを絞り込む!

アナリストレポートに付与される株価レーティングは通常、「変更(格上げ・格下げ)」、「新規」、「継続」の3パターンに分けられます。ごくまれに担当アナリストの変更などを理由とした「除外」もありますが、株価へのインパクトは微々たるものですので割愛します。ここでは、それぞれの株価へ与える影響を説明します。 1、「変更(格上げ・格下げ)」 アナリストは独自の業績予想に対して株価が割安と判断すると「株価レーティング」を引き上げます。「売り→中立」、「中立→買い」が一般的ですが、「売り→

ファンを多く抱える人気アナリストのレポートは迷わず「買い」

レポートを担当するアナリストによって株価への影響が異なります。 株価への影響力が強いアナリストは大きな顧客を抱えていることが多いです。 決まったアナリストが担当した銘柄が必ずと言っていいほど上昇するということがあれば、それは機関投資家のファンを多く抱えていると見て間違いないでしょう。 私が株を始めた頃、とても人気のある外資系のアナリストがおり、そのアナリストが強気なレポートを書いたら、高い確率で数日連続でストップ高が続くことがありました。 当然、レポートがリリースされ

アナリストレポートの内容~証券会社ごとの値動きの特徴

株価レーティングで上昇銘柄を発掘するためには、証券会社の特徴を把握し、値動きのクセを掴むことが重要となります。 アナリストレポートをリリースしている証券会社やシンクタンクには、規模や抱えている顧客などそれぞれ特徴があり、「株価レーティング」で推奨した銘柄の値動きのクセを知ることができます。 証券会社では、自社のアナリストが調査したレポートを用いて、機関投資家などの大口投資家に銘柄を勧め、売買手数料を稼ぎます。 過去にはアナリストがレポートをリリースする前に顧客に買わせて

「株価レーティング」から上昇株を発掘するポイントは3つ

「株価レーティング」通りに売買しても、儲からないと思っていませんか?実際、この通り売買しても勝率は2~3割程度と言われています。そのため個人投資家の間ではアナリストに対する不信感が強いようです。 しかし、一方で「株価レーティング」をきっかけに1、2週間または数カ月かけて上昇が続く銘柄も多々あります。その違いはなんなのか。私は15年間以上、分析をし、「株価レーティング」は「玉石混交」であり、「玉」と「石」を見分けるポイントが3つあることが分かりました。それが下記の通りです。

⑤アナリストレポートの内容は5つの分類に着目する

アナリストレポートの本文では、「株価レーティング」や「目標株価」の根拠を説明しています。 毎日多数のレポートがリリースされているため、それぞれを隅々まで読むことは、専業投資家であっても非常に大変だと思います。 会社勤めのサラリーマンはなおさらです。ここで一つ簡単に読めるコツを紹介します。 時間がなければ最低限レポートの要点をまとめた「大見出し」や段落ごとの「小見出し」だけでも十分です。 この部分にアナリストの注目点が簡潔にまとめられているからです。私は時間がなくてもここ

④レーティングの良し悪しは業績欄の”経常利益”で決まる!

アナリストレポートの業績欄には、過去2期分の実績だけでなく、今期を含め2~3期程度の予想が時系列に記載されています。 これまでの実績の推移とこれからどの程度成長していくかが俯瞰的に把握することができます。 証券会社にもよりますが、今期の業績予想には、会社が決算発表等で計画した数値とアナリストが独自に予想した数値があります。 私は、会社計画とアナリスト予想を比較し、さらに会社四季報とも比べるようにしています。 もしアナリスト予想が会社計画、会社四季報の予想のいずれよりも大きい

③レーティングは「株価指標」で属性を把握する

アナリストレポートには、現在の株価や時価総額、上場市場、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)などの「株価指標」が記載されています。 ここから大型株、小型株、割安株(バリュー株)、成長株(グロース株)などの属性を判断します。 例えば、発行済み株式数に株価を掛けて計算する時価総額は大型株、小型株など会社の規模を表します。帳簿上の純資産に対して株価がどれだけ買われているかを示すPBRはバリュー株なのか、グロース株なのかを判断することができます。 純資産に対してど

②アナリストレポートの”目標株価”は実際の株価との乖離に着目する

目標株価はアナリストが今後6~12ヵ月の間に達すると予想している株価水準のことと定義されています。 私が気にして見ているのは、現在の株価と目標株価がどれだけ離れているかです。 同じ「買い」のレーティングでも、乖離が大きい方がアナリストの意気込みが伝わります。 「買い」のレーティングの場合、現在の株価と目標株価との乖離は+10~20%程度が一般的です。 しかし、ごくまれに+40%だったり、大きいものになると+100%だったりすることもあります。 当然、株式投資に絶対はない

①アナリストレポートの顔である「株価レーティング」

「株価レーティング」は個別株レポートで最も重要な箇所です。 注目するのは、「株価レーティング」が前回のレポートと比べてどう変化したのかです。 アナリストの調査対象に採用された「新規」、評価に変化があった「引き上げ・引き下げ」、据え置きである「継続」の3パターンがあります。 詳しくは後で説明しますが、それぞれのパターンによって、株価へのインパクトも異なります。 「株価レーティング」の表記は証券会社によって様々です。株価の上昇を予想する場合は、「強気」、「買い」、「A」、

アナリストレポートを構成する5つの項目

アナリストレポートは、相場見通しやストラテジーなど多くの種類がありますが、個別株のレポートの見方を解説していきます。 証券会社やシンクタンクによって書式は異なりますが、基本的な記載事項や構造はほとんど変わりません。 ページ数のボリュームはレポートによって様々です。これは7ページで構成されていますが、多いものになると数十ページになるものもあります。だからといって、すべてに目を通す必要はありません。重要なことは最初の1~2ページにまとめられているからです。 1ページ目は、①

個人でもできる!「株価レーティング」の入手方法

 株価レーティングが記載されているアナリストレポートは基本、機関投資家向けに書かれているものであり、個人投資家はなかなか入手しにくいというのが現状です。 無料の投資情報サイトでは、レーティングや目標株価に変更があった物のみ一覧で掲載しているところもあります。 私は下記のサイトでレーティング情報の一覧を毎日チェックしています。 総合投資情報サイト「TRADER'S WEB」 株式情報サイト「グレイルNET」 ただし、これらのサイトでは、株価レーティングと目標株価の一覧