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すべて過去になればいい

北極星がみえなくなりました。自分の吐き出すものはもっときらきらしていて、毒々しくて、あらゆるものが神経を苛んでもその輝きが増すのならすべてを飲み込めたはずなのに そのよすがすらなくなりました。

欲求の扱い方を学ぶべきだったと思っている。自分の欲求を伝えるとき、叶えてもらうとき、痛みを伴わなかったことがない。楽しい思い出もたくさんあったはずなのに、車を運転する疲れた横顔や、とり返しのつかないことに小言を垂れる口元しか思い出せない。

みんな、心の中では怯えと不平と、苦い疲れに溺れながら笑っていると思っていた。軌道を修正するには歳を重ねすぎてしまった。だから歪んでいるし、人の好意を信じられないし、平気な顔をして人の気持ちを踏みにじる。被害者の体裁を繕おうとしたところで無駄だと知っている。行動と関係性の捉え方が決定的に異なっていること。持て余した心中の汚物を披歴するつもりはなかったこと。まだ言葉にするには脆いたくさんのこと。ぜんぶが気道を締め付けるので ひとつひとつ取り出して体裁を整えて きちんと順序よくならべなければならなかったのに そう取り組もうとする間も容赦なく呼吸は奪われているものだから ひとつもうまくできず、言葉の表層をなぞるだけで、なにも伝えられないうちに閑語と疲弊だけが蓄積していってその醜さを投影して互いを憎むようになる。相対的に外部の価値が高じてゆくであろう状況に不平を垂れる資格などとうぜんもたないわたしは、思考だけ隘路に押し込められたまま なにもできず 身体が最低限のことをこなしては電池が切れたようにつめたい床にへたばるさまをただただ見つめる毎日です。

擦過傷だらけのからだが時間という動力に引きずられる苦しさにじっと耐えて、
心臓への一突きを待っている。

他の約束をぜんぶ破ったっていいから、

とどめくらいはちゃんと刺しにきてくれよ。


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