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米国発前川のニュースレター

明けましておめでとう御座います。
今年も宜しくお願い致します。
 
これまで同様、引き続き政治、経済、不動産市場、住宅ローンの情報などを中心に日本ではあまり伝わってこない米国事情を私の肌感覚を通じてお知らせしてゆきたいと思います。 
2024年がスタートしました。今年は経済の転換地点になる重要な年となりそうですね。また、米国の世界の覇権国としての地位が終りに近づいていること、主要国での選挙がある年でもあります。国際紛争は継続しており、大きく世界のパワーバランスが動く年になりそうです。中国の経済的没落とロシアの国際社会(非米諸国)での影響局の拡大が進んでいます。
辰年は昨年燻っていたことが大きく表面に出てくる年だそうで、当分目が離せません。  
 
今日の写真はオフィスから年末に撮った写真です。暗い雲が見えますが、同時に明るい虹🌈も見える何となく
2024年を予感させるような空だったので、写真に収めました。

さて、本日1月2日のニュースレターをお送りいたします。
 
【株式・為替市場の動き】
2日のニューヨーク株式市場は前半下落して始まりましたが、ダウ工業株は戻して25.50ドルプラスの37,715.04となりました。
前半はイエメンの過激派組織フーシー派がイスラエル関係の船舶への攻撃に対して米海軍の反撃など紅海、アデン湾地域の不安定化から原油か価格が上昇していましたが、反転十分な原油供給が見込めることから、価格が下落して終わりました。上昇していた10年国債の金利もやや戻して安定。最終的にはダウは上昇しましたが、米国10年国債の利回りの上昇からナスダック、S&P500はげらくして終わりました。
国債利回りが上昇しましたが、日本の10年国債の利回りの上昇しましたので、ドル・円はあまり大きく動かず141.97となっています。
2024年は円のさらなる上昇が見込まれています。
ここ2か月日米の10年国債の利回りの差は1ポイント近く縮小しています。昨年は米国債と日本国債の利回りの差がドル円の動きとほぼ連動していましたので、米国債の利回りが下がり、日本国債の利回りが上がってその金利差が縮小したのど同時にドルが安く、円が高くなってきました。しかし、必ず日米金利差だけでドル円相場が決まるわけではないので、潮目をよく見ていないと先行きを見誤りますから注意が必要ですね。 
大きな目で見ると、米国債の利回り下落(国債が買われる)によって、徐々に円高に動いてゆことになりそうです。
どうして米国債が買われるかは先週言いました実質金利から見た理屈だけではなく、別の理由もありますので、それは後で触れさせて頂きます。
 
【不動産・住宅ローン金利動向】
多くのサーベイや専門家の意見では、この先、全米の平均住宅価格は上昇と見込んでいる様です。来年は平均2.4%、今後5年で25%の値上がり期待です。平均なので、下がると言う意見よりも上がると言う意見の方が多いという事になります。このサーベイは100人以上の不動産専門家の意見で出てきたもので、一つ前のサーベイでは3.3%の値上がりとなっていました。最も悲観的なもので今後5年間で10%の値上がり、最も楽観的なレポートでは40%の値上がりとなっています。大きな景気後退が来るかどうかも意見の分かれるところですし、何とも予想しずらいですが、来年の値上がりは4.5%から5%との意見が多いです。本当でしょうか? 
 
ローン金利は今日は10年国債の利回りが上昇しての出、昨年末と比べて若干の上昇でしたが、外国人用のローン金利は昨年末と比べると、約1%金利が下がり引き続き下がってゆくでしょう。さらに、FRBが金利を下げれば、銀行の調達金利もさがり、その分外国人ローン、ジャンボローンの様なニッチなローンプログラムの金利も下がってゆくでしょう。
 
住宅不足が慢性化した昨年、多くの新築物件が供給され、引き続き建設されています。都市の郊外に新規の住宅建設が可能な地方都市は新築物件の供給が今年も続き、金利低下によって買い替え需要による中古物件の供給増が出てくるでしょうから、住宅価格の上昇がごく限定的だと思います。ひょっとして大きな景気後退が起これば、さらにローンの支払いに窮した人々の自宅売却が増えて中古物件の供給量が増えますので、場所によっては値下がりしてゆく可能性も出てきます。インフレ抑制策は引き続き効いていますので、少なくともインフレ高進しなければインフレ率以上に住宅価格が上がって行くとは私は思いません。
 
しかし、物件供給がしずらい都市、大都会で都市周辺に新築物件を立てる余地のない例えば我々の住んでいるオレンジ郡などは値下がりは考えにくいですね。また、今まで言ってきました様に、都市の治安が悪化している場所は値上がりではなく、大きな値下がりに見舞われている場所があります。サンフランシスコ、ロスアンジェルスのダウンタウンは値下がり傾向が今も続いています。住民がラスベガス、アリゾナ、テキサスなどへ移動しています。 シアトル、ポートランドなども同様治安の悪化により周辺のアイダホなどへ移住する人が増えており、移住先の都市では供給が間に合わなければ物件価格が上昇します。 やはり、結論は都市の特殊事情をよく見ることで、平均価格、平均上昇率は一つの目安にしかなりませんね。
 
工場の建設が田舎町の住宅事情を大きく変えてしま事がよくありますが、最近、金融業界がダラスに注目しており、事業を急拡大させていると言うニュースが入って来ました。ダラスは金融関連の従業員の数は今やニューヨークに次ぐ多さで、シカゴ、ロサンジェルスを上回っています。
テキサス州は収税が掛からず、住宅も比較的安いので、大都市ニューヨークやロサンジェルスからの人口流入も多くあります。
ダラスへの金融機関の投資として、例えば、フィッシャー・インベストメントはワシントン州からプレイノ(ダラス郊外)の移転、チャールズ・シュワブも移転。ゴールドマン・サックスグループはダラス中心部に5,000人収容のオフィスキャンパスを建設中。ウエルス・ファーゴが3,000人収容のオフィスをダラス郊外アービングに建設、バンクオブアメリカも30階建てのビルディングを昨年11月に起工などなど。
南部の金融中心都市となりつつあります。勿論、住宅市場にも影響が出てくるでしょう。周辺地区に土地が余っており、新築住宅建設が引き続き継続されるでしょうし、人口増加によって商店、学校、などの増加も見込まれますから、景気への好循環が始まりそうです。住宅価格の上昇だけでなく、賃貸住宅需要が上がってくるでしょうね。
 
IT関連の投資、工場建設などでダラスと同様に発展するであろう中西部の地方都市もいくつかあり、例えばColumbus, OHなどはインテルの工場建設など大きな投資が入っており、EV関係よりもIT関連投資が今後は有望だと思われます。
 
昨年末、商業用不動産担保証券(CMBS)などを手掛ける米不動産投資信託(REIT)のJERインベスターズ・トラストが連邦破産法11条に基づく会社更生手続きの適用を申請しました。そろそろ持ちこたえられなくなったか、という感想ですね。昨年来、商業不動産の不調が言われてきましたが、今までは大きなニュースにはなっていませんでした。しかし、今年は商業不動産関連の倒産が増えそうな気配で、そうなれば貸し付けをしている中小地方銀行の収益にも影響が出そうです。国債の値段が上がり始めたのは多くの資産を国債で運用している銀行にとってはプラスに働きますが、不動産ローンの焦げ付きは痛いですね。商業用不動産への貸し出し基準の厳格化、貸しはがしへと向かう可能性が大きくなってきます。そうなれば、リモートワークの定着で空室率の改善が難しい所へもってきて、ますます商業不動産は低迷すると思われます。

【経済の動き】
昨年から金利上げすぎで、何時景気後退が来るか心配な状況の中、株価が上昇を続けていますね。ここに来て、FRBが政策方向転換で利上げから、利上げストップ。今年は利下げを視野に入れ始めたところから、大手の投資家である年金基金、大手保険会社、投資会社などもFRBの政策転換に伴って、投資配分を変えてくることは間違いないと思います。FRBの政策金利、米国10年国債の金利、30年固定住宅ローン金利は正の相関関係があります。FRBの政策金利は毎日変動しませんが、米国債、ローン金利は毎日変動するので、特に米国10年債と住宅ローン金利に相関関係があります。
ですから、FRBが利下げを視野に入れてきた現在、恐らく今年数回にわたって利下げをするでしょうから、米国10年国債の利回りも下がり、  
30年固定住宅ローン金利も下がります。(上がることはありません。確実に下がります) さて、FRBが政策金利を下げると、預貯金金利も下がりますので、金利が未だ高く、元本保証、今後値上がり確実の長期国債への投資へ資金が流れてゆくのは当然です。国債が購入されると、利回りが下がり、長期金利が下がり、確実に住宅ローン金利が下がります。
FRBは今すぐ利下げしませんから、今がチャンス国債の購入量が増えるでしょう。それ故に米10年国債の利回りが下がると予想されます。
 
過去、同じ様な状況で同じことが起こりました。2000年のITバブル前の時、1980年代前半いずれもFRBは金利を急激に引き上げ、その後金利を引き下げ始めた時、米国債が大きく買われ、株価は大きく下げました。これは、国債と株式とういう投資の特徴を考えると当然の帰結で、今回はどれ程その動きが大きいかが問題となるでしょう。 このニュースレターは米国不動産の情報をお伝えする意図で書いていますが、やはり、株式、為替が連動していますので、このあたりの理解も大きな流れをつかむのに必要ですね。
 
【今週の???な国際ニュース】
移民受け入れに寛容な「聖域都市」と言われているシカゴ、ニューヨーク、デンバーは何れも民主党市長で、バイデン政権になってからと言うもの南部の国境、特にテキサス州国境都市から流入が止まらない不法滞在者の急増で財政がパンク、治安が極度に悪化し、さすがに、市民生活に大きな影響が出始めて、どの町も我慢の限界に達しています。これらの街の市長たちはオンラインの共同会見で、「昼夜を問わず、(不法)移民を乗せたバスが事前の告知なく到着するのをこれ以上許可できない」と言いだしました。ニューヨーク市には過去2週間だけでも7,000人以上の不法滞在者が到着し、5月からの推計で15万7,600人の不法滞在者が入って来ています。その分ニューヨークから住民の流出が始まっています。
 
不法移民を歓迎すると言ってきたシカゴも、ジョンソン市長が、地域経済は破綻すると訴えています。また、コロラド州(28日にはメーン州も)。 デンバー市長は、デンバーには全米で最も多くの移民が入ってきていると悲鳴を上げながらも、 その一方で、政府と連邦パートナー(各自治体)に対し、移民が「尊厳と人間性を持って扱われる」支援の提供が必要だ言っています。現地の住民が可哀そうですね。
民主党主導の国境政策が失敗しているとは言えず、国の支援を訴えているだけで、この混乱の解決方法の提案などにも言及できなくなっています。とめどなく入ってくる不法移民に対して湯水のごとく税金を使い続けて、市民が納得するはずもなく。先の見えない治安悪化と、財政悪化が続き、サンフランシスコ、シアトル、ポートランドなどの都市も含めて泥沼状態に陥っています。我々からすれば、解決策は不法移民を入れなくすれば良いだけなのですが、現政権では、不法移民の人権問題の方が、市民の人権より大事だと考えているのでしょうか?それは本末転倒だと思うのは私だけでしょうか? 因みに米国では不法移民と言ってはいけないそうで、身分証明書などの書類を持っていない外国人(Undocumented Immigrants)と言うそうです。 
 
イスラエルが戦っているハマスですが、資金は何処からきているのでしょうか?イスラエルは米国からの支援がありますね。
ハマスの資金調達は多岐にわたっています。ビットコインを利用した詐欺で稼いている様で、実際、インドが詐欺にあったと訴えています。
また、周辺の産油国からの支援金、実態はやくざのみかじめ料の様にして資金調達しているとのこと。ガザには年間3,400億円が流入しており、半分はパレスチナ自治政府から、ガザの住民から勝手に税金の徴収もしており、カタールやイランからの5億ドル近くが提供されていると見られています。これらの送金は勿論マネー・ロンダリングなので、ドル送金の場合は、FRBで認識されて、違法な送金として止められるはずですが、パイパル、ワイズ、などを利用したリ、トルコ、クエート、カタールの銀行も関与して規制を逃れている様です。家の購入のための送金もままならないほどのマネーロンダリング規制が厳しいはずですが、この駄々洩れの送金実態は何なのでしょう。何でもありですね。
  
【豆知識】
世界のお金持ちが多く住む都市ベスト5
1.    ニューヨーク
2.    東京
3.    サンフランシスコ・ベイエリア
4.    ロンドン
5.    シンガポール
 
世界中大きな都市が治安問題を抱える中、東京の治安の良さ、住人の民度の高さは際立っています。

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