この記事は、Space of Digital Humanities からの転載です。
この田中優子氏の記事を読むことを激奨したい。ここに、X上でもしばしば指摘される日本人のリテラシー、つまり読み書き能力の急激な凋落を巡っての考察がある。しょっぱなに都知事選にそれが現れたことが指摘されているが、これもX上で多くの人が言葉は違えど同様の指摘をしていたことを覚えている。(記事の画像が粗くて読みにくいのでここから引用多めに書く。)
(注:記事の画像がとても読みにくいので、新たに書き起こしたものを下に載せる。)
人のリテラシーはどういった経緯で高まる可能性があるのかを、太田愛の小説『未明の砦』を使って示唆されているところがとても興味深かった。この作品は読んでいないので読もうと思う。そこには、GHQによって”作業請負”が禁止されてから、派遣自由化・中抜きし放題の現在に至るまでの道程が描かれているようだ。
その作中で、4人の登場人物が、伊丹万作の『戦争責任者の問題』から「批判力を失い、思考力を失い、信念を失い、家畜的な盲従に自己の一切をゆだねるようになってしまっていた国民」という箇所に、また松元ヒロの『憲法くん』から「憲法は国民から国への命令書である」という箇所に目を開かれるそうだ。
前者の『戦争責任者の問題』は、青空文庫にも入っているので、0円でKindle版をダウンロード出来る。紙にするとほんの数ページだろう。是非とも読まれることを推奨する。
3年前「憲法リテラシー」というZoomイベントをやり始めて、後者の『憲法くん』から引用されている「憲法は国民から国への命令書である」ということを知らない人が多くいることに気がついた。義務教育で教えるべき最も重要なことの一つと言っても過言ではないと思うが、日本はそれに失敗しているということなのだろう。
『憲法くん』は小学生でも読める絵本らしい。これも読んだことがないので読んでみようと思う。みなさんもご一緒にどうでしょうか。
太田愛『未明の扉』https://amzn.to/3Wx5TXY
伊丹万作『戦争責任者の問題』https://amzn.to/4d1I0Pd
松元ヒロ『憲法くん』https://amzn.to/4fhxOnj
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