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坊主めくり

子どものとき好きだった
お正月の伝統的な遊び
お姉ちゃんや従兄弟と一緒に遊んだ

坊主めくりは
坊主、姫、男性歌人の3種類から成る札を
1人1枚ずつ順番にめくって行く。
男性歌人が出ると1枚キープ。
姫が出るともう1枚ボーナスでめくれる。
坊主が出ると手元にある札は全部放出。
次に姫が出た人がそれをもらえる。
最後に多く札を持ってる人が勝ち

ルールが単純すぎて
ただめくるだけの遊びになってしまうのでは?となるが実際は、その逆。
百人一首の絵札の大半は男性の札なので
基本的には淡々と札をめくっていく
展開になるが
男性札を淡々とめくっていく時間が
長ければ長いほど
いつ坊主をめくってしまうのかという緊張感が高まる。
坊主札をめくってしまったときに思わず出る、「あー!!」の声、そして姫の札をめくったときの「やったー!!」という喜び。

ここで厄介なのが蝉丸カード
蝉丸を引くと
参加者全員の持ち札をすべて捨てることに。
そして、次に華やかなお姫さま札を引いた人が、その捨て札すべてをもらえる。
蝉丸札をひいてしまうと
全員が痛い目にあうという悲惨なルールなので
蝉丸は坊主めくりにおいては最凶の人物。
ローカルルールもあり
蝉丸を引いた人は
どんなに札を集めていても、ビリが確定とか
蝉丸を引いた人は
みんなの手札がもらえるとかいいルールも。

坊主が出たと言っては悔しがり
姫が出たと言っては喜び
蝉丸が来ると坊主めくりが荒らされた

みんな蝉丸の扱いに困る。
蝉丸は最強か最凶か。

蝉丸カードも覚えたくらいだ。
「これやこの 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも 逢坂の関」

なにが言いたいか。

坊主はわかりやすいし想定内。
蝉丸は坊主めくりの場を盛り上げるし
いろんな顔を持ち合わせてるだけに
人気のカードでみんな蝉丸に一喜一憂。
蝉丸をどうするか話しあい
時間をかけてしまう。
坊主に頭布をかぶせ特別な存在にしたがる。
しかし坊主に頭布をかぶせても坊主は坊主。

坊主や蝉丸に一喜一憂することを楽しむが
勝負とは別の話。
坊主めくりは男性歌人を淡々と引きながら姫を出してカードをより多く回収するゲームなのだ。

坊主は坊主。姫は姫。

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