ヴァイオレット・エヴァーガーデンは現代の世界名作劇場である

公開5周目にして興行収入14億5千万円、観客動員数100万人を超えるなど映画の成績も好調なヴァイオレット・エヴァーガーデン。
20代から60代まで幅広い年齢層に支持されている。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンはかつてフジテレビ系で放送された世界名作劇場(ならびに前身のカルピス劇場)のポジションにいると思われる。
20世紀前半の欧州を思わせる世界やオムニバス的な各エピソード、全体を通じた目的設定など、世界名作劇場に連なる要素が多い。
こうした点は京都アニメーション自身意図していたと思われる。
リズと青い鳥でリズパートは明らかに世界名作劇場を意識した世界観や画作りになっていた(キャラクターはヴァイオレット・エヴァーガーデン同様かなり高等身に設定されていたが)。
世界名作劇場がBS版のこんにちはアン終了からでさえ10年以上が経過し、マーケットとしては大きな穴となっている。
おそらく、ヴァイオレット・エヴァーガーデンはその穴をやや高年齢のアニメファン向け市場、それも俗に萌えアニメと言われる市場や劇画市場とは別種の市場から埋めようと生み出されたのだろう。

我々はヴァイオレット・エヴァーガーデンの街並みや山海を見るにつけ、ハイジやトムソーヤ、トラップ大佐の暮らしたあの世界と重ね合わせているのではなかろうか。

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