路面電車不在の地宮崎

宮崎は九州の県庁所在地で唯一市電が走ったことのない都市である。
九州は今でも3県庁所在地(長崎、熊本、鹿児島)で市電が走るなど路面電車には積極的な地域であるが宮崎だけは路面電車とは無縁の町である。
他の県庁所在地の市電を分類すると都市間交通要素の強い大分、佐賀、那覇と市内交通要素の強い長崎、熊本、鹿児島、両者を併せ持った福岡に分かれる(佐賀の場合はかなり小さい農村との交通であるが)。
都市間交通といっても短距離小規模の佐賀、那覇は戦前に廃止され、大分は戦後かなりの期間存続している。市内交通要素が強い3都市は今まで残存している。
両者を併せ持った福岡は大分よりは長く残存していた(といっても全廃年は10年も離れていないが)。
他地域同様省線~国鉄の地域輸送が弱かった九州の県庁所在地で地域交通あるいは県庁周辺との都市輸送機関として私鉄や市電は重要だったと思われるが宮崎は結局いずれも持たなかったわけである。なお宮崎県は宮崎市以外でも路面電車が走った歴史を持たない。おそらく、県全体で路面電車経験がないままバスの導入が行われ、そのままバスが成長したのだろう。

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