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第15回 誰もが居場所と出番のある社会へ

わたしたち人間に必要なのは、究極のところ、この2つではないかと思います。それは「居場所」と「出番」

「居場所」とは、安心して「居られる」場所。自分が存在していていいのだと心から思える場所、コミュニティ、関係性。
「出番」とは、自分ならではの貢献、自分が他者の役に立てているという実感がもてる場面があること、いわゆる活躍の機会。

わたしも振り返れば、この2つがないとき、本当に苦しくしんどい思いをしていました。
最初の転職で入社したベンチャー企業。
勢いで飛び込んだものの、特別なスキルも知識も何もなかったわたしは、何をどうやればいいのか、全く見当がつきませんでした。入社当初はベンチャーの立ち上げ期だったので、基本的に与えられる仕事はなし。自分で仕事を創り出し、お客様を見つけ、売り上げを上げていかなければなりません。周りは何かすごそうな外資コンサル出身者ばかり。わたしは、なぜここにいるのだろう?ここにいていいのだろうか?その会社にはわたしの「居場所」も「出番」もなく、恐怖とプレッシャーで気が狂いそうでした。が、当時はまだ若かったので、それこそ「気合と根性」で途中3か月間休職するなどしながら、何とかやり過ごしました。乗り越えました。そして結局その会社には5年間在籍し、人材開発業界の基礎の基礎をみっちり自分に染みこませることができました。

なぜ、そこに居続けられたか。
ポイントは、やはり「居場所」と「出番」でした。
わたしは、他の人のような鮮やかな提案書をつくることはできませんでしたが、ひたすら相手の困っていることに寄り添って、本気で解決しようとしていく中で、お客様から信頼されることも増え、売り上げもあげられるようになり、また、社内の議論の場においては、自分から斬新なアイデアや切り口鋭い意見を出すことは苦手でしたが、議論がヒートアップして対立したとき、すれ違いが起こったときなどは、お互いの論点や、意見の食い違いが手に取るように分かるので、議論を整理し、お互いの気持ちを汲み取りながら合意をもたらす役割を担いました。何もできないと思っていたわたしなりに、少しずつ自分の「出番」が見えてきたのです。
また、そうやって仕事を一緒に進めていく中で、徐々にお互いを信頼し合い、助け、励まし合う仲間が増え、自分はここにいていいんだ、という「居場所」を見つけることができました。

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お互いを思いやり合い、受け入れあい、その職場やコミュニティ、関係性の中にお互いの居場所をつくる。これは、皆さん、比較的意識されていらっしゃるのかな、という印象を受けます。最近管理職研修などをしていても、部下・メンバーたちの心理的安全性を大事にされていたり、働きやすい職場づくりに心を砕かれている方が本当に増えてきたように思います。

でも、人は、「居場所」があるだけでは足りないのです。なぜなら、人間は、自分の周りの人たちの役に立ちたい(貢献したい)という根源的な欲求を持っているから。居場所があるだけだと、居心地はいいけれど、何か物足りない。そして、受け取る一方な気がして、だんだんと不安になります。「自分は受け取る一方でいいのだろうか。」そして、その「居場所」に居づらくなる―。
だからこそ、「出番」が必要なのです。その「出番」は何でもいい。何か特別なスキルや知識があればそれはまずは出番になるけれど、別になくてもいい。目標を立てるのが好き、人と話すのが好き、学ぶのが好き、つい“なぜだろう?”と考えてしまう、考えるより即行動!そんな人それぞれの生まれ持った性質がその人の「出番」のカギ。(ちなみに、スキルや知識だけの「出番」だと、それ以上のスキル知識をもった人に、簡単に「出番」を取って代わられる可能性があります)

わたしは、ストレングスファインダー®の認定コーチを取りましたが、このストレングスファインダー®は、まさにその人の出番を見つけるには最適だと思ったからです。強みこそ、まさにその人の出番。そしてその強みは、本当に誰もがそれぞれ持っているもの。自分にとっては自然な性質。でも他の人からみたら驚きと感謝の性質。

あなたが自分の「居場所」も「出番」もある方、またはリーダーや管理職として誰かの働きをサポートする側の方であれば、周りの人たち、メンバーたちの、「出番」を見つけるお手伝いをしてあげてください。その人なりの貢献の仕方を見つけるサポートをしてあげてください。
そうやって、誰もが「居場所」や「出番」があるチームというのは、人はいきいきと、やりがいと自信をもって、働くことができます

そして、わたしの願いは、誰にとっても「居場所」と「出番」がある社会。
子どもだろうと大人だろうと、若者も老人も、性別も関係なく、誰もが「居場所」と「出番」があって、安心して生きられる社会をわたしは生み出していきます。

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