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あのね、仕事は自己否定する場所じゃないんだよ。

ああ、やっぱり私なんて駄目だ。こんなことも出来ないなんて恥ずかしい。こうなったのは私が駄目だから。全部私が悪いんだ。

働いていて、そんな風に感じることはありませんか?大なり小なり、なんかあった時にそんな風に感じる人が世の中に多い気がするのは私だけでしょうか。

仕事って、自己否定するための場所じゃない。
自己表現して、社会貢献して、自分や周りの人生を豊かにするための場所なはず。


「自信がない」なんて言葉に邪魔されて、仕事は大変。失敗したくない。出来なかったらどうしよう。そんなふうに思ってしまう人のなんて多いことか。


といっても私も、職場という人生の舞台で、何度も自己否定してしまいそうな時がありました。失敗の数はきっと数え切れないほど。普通の人じゃきっと立ち直れないでしょう。そんなエグい失敗の数には、それはもう・・自信があります。


でも、痛い失敗って乗り越えたら、すごい財産に変わります。「あの時のあの経験があったから、今の自分があるんだ」って自分だけの素晴らしい歴史になるんです。

でも、その失敗を失敗のまま、「私が駄目なんだ」としてしまっちゃうことって、多々ありますよね。もし、そんな風に仕事の失敗につまずいている人がいたら、私の「元、アイタタタの失敗」を聞いて欲しいなあと思ってこの記事を書いています。もしちょっと読んでやろうか、と思ってもらえたら、ぜひそのままスクロールしてもらえたら嬉しいです。


私のアイタタ失敗 体験記 ①



私のアイタタ失敗体験記は、もう、びっくりするほどたくさんあります。その中でも、「こんな自分なんて」「私なんて駄目だ」と思わなくなった出来事が、人生上で2回ありました。このお話は、その2回中の、1回目。15年くらい前の、まだ会社勤めだった若かりし頃です。

当時私は23歳。外資コスメ会社の副店長でした。店長になりたくて、内に秘めた野望は持っているものの、とにかく自信がなかったんです。

面白いことに自分の心の中って、ちゃんと外に映し出されます。


とにかく自信がなくて「私なんて…」「私なんて…」と思っていた私は、そりゃあ周りからは「あいつ、大丈夫か?」と思われていました。それが上司に思われるならまだともかく、もれなく部下全員に「あいつ、大丈夫か?」と思われていた、最高にクールなお話です。


自分の自信のなさが、ちゃんと形になったあの日



当時の会社は「360度評価」という評価制度があり、「部下から上司が評価される」というものでした。当時働いていたお店のスタッフは10人くらい。10人の部下から評価が自分に届きます。50項目くらいの内容を1から5段階で評価される、というようなもの。届いた評価は全て自分で見ることができます。

なんとその評価項目の「リーダーシップ」「この上司についていきたいかどうか」の評価に、10人からオール1をもらったんです。

「00(旧姓)さんは頼りない」「00さんが店長だったら、ここで働きたいと思わない」「引っ張ってくれなさそう」「在庫管理間違えてた」
え、そんなに言っちゃう!?(在庫管理間違えてただって!?)という厳しいフィードバックばかり。その言葉は、毎日一緒に働いている子たちからです。

バックルームで一人パソコンを眺めながら、「終わった」と思いました。


「私は向いてないんだ」「こんなんじゃ店長なんて無理じゃん」
「会社に申し訳ない」「私には出来ないんだ」


自己嫌悪のオンパレード。ちゃんと自信のない自分が、結果として現れました。

本部から、上司が来たぞ。いよいよ終わった。(2回目)


このお店の副店長、評価やばいぞ。大丈夫なのか?ちょっと見てこい。そんな感じだったのでしょう。本部から面談しましょうと連絡をいただきました。

なんて申し訳ない。もう私は駄目だ。降格してもらおう。
と思って面談の時に、その上司に打ち明けました。

「この評価はその通りで、きっと私はリーダーシップやマネージャーには向いてないんだと思います。ここまで時間をかけて育てていただいた全ての方に申し訳ない。でも、私には向いてません。私なんかが、出来ません。」

初めて会社で涙しました。

その時、ちょっと間を置いて上司に言われた一言は、いまだに覚えてます。

向いてないんじゃない。うまくいかないやり方をしただけ。



「うまくいくやり方でやらなかっただけなのに、それを自己否定の言い訳に使わないで。そりゃそのやり方じゃ誰でもうまく行かない。うまくいくやり方でやればいいの。それをちゃんと学んで。」

ものすごいパラダイムシフトが起きました。
単純なので「え、私が駄目なわけじゃないの?やり方が間違っていただけ?」

絶望に近かった私に一筋の光が見えたんです。


「どうする?」
「もう一度学び直します」


その日から全てが変わりました。


「うまくいくやり方」を徹底的に真似した。



幸いなことに、私の上司は素晴らしい方でした。だからこそ自分と比較して劣等感を感じるループだった当時、まず
「それに比べて自分は・・」と、比較することを辞めました。

「うまくいってる上司」と同じことをしようと、姿勢の立ち方、話し方、使う言葉、メールの打ち方、MTGの進め方、おはよう!の声の出し方

・・・とにかく簡単に真似できそうな小さいところから全部真似をしました。

読んでる本を聞いて同じものを買い、時間管理の方法をそのままパクリ、上司が接客している時にさりげなく横に行ってトークを全て盗み、とにかく言われた通り、言われたことをそのままやる。自分の考えではなくて、この上司だったどう考えるのか?から行動を決めました。

このとき、自分の考えや持論を一回捨てました。だって自分流でやって、絶望的に失敗したんだから持論とか自分のやり方なんて今は必要ない。と、思ったんです。

「この上司だったらどう考えてどう行動するのか?」「この上司だったらスタッフにどう発言するのか?」そこから自分の全ての行動を意識的に変えてスタートさせる日々が始まりました。行動、発言、とにかく全てを意識的に変えたんです。気分は女優。私はこの上司だと思って仕事しようと決めました。

上司より仕事を覚えるのに時間がかかるんだったら、その10倍やればいい。そう思って、本当に10倍やりました。とにかく(私はここで変わらなかったら人生終わる)という気持ちで、とにかく動きました。

何かあって揺らいだとしても、「私は向いてないんじゃない。やり方(考え方)が違っただけだ」ぶつぶつ自分に言いながら。


3ヶ月くらいで、周りが変わり始めた


すると不思議で、そんな風にがむしゃらに動いていると他人の評価なんて全く聞こえなく(気にしなく)なりました。


面白いことに、自分の内面って、ちゃんと外に反映されるんですよね。
全ての自分の外の世界は、自分の内面を映し出している鏡だと、本で読んだことのあるこの言葉がちゃんと自分の経験として腑に落ちたんです。


特に部下からのコミュニケーションが変わってきました。


「これお願いね」と頼んでも目を合わせてくれなかった子が「これ、どうしたら売れたんですか?」と声をかけて私の販売に関心を持ってくれたり


「今日はこの戦略でいきましょう」と言っても「いや、こっちの方が良いと思います」と言っていた子が、「今日の戦略どうしますか?」と聞いてくれるようになったり。


「すごいね!」と伝えても「00(旧姓)さんから褒められても嬉しくないです」って言っていた子が、「褒めてください」って言ってくれたり。


(今考えてもすごいこと言われてたなあ・・・笑)


人はそんなに自分に関心がない


そんなある時、お昼を一緒に食べた部下からこう言われたんです。
「00(旧姓)さんって、どうやってリーダーシップ学んでるんですか?」

飲んでた水を吹きました。
だって、評価制度で私のリーダーシップに「1」をつけてくれた子です(笑)


「え、私に聞くの!?」
「はい。今月の00って企画、すごいなーと思って」
「え、あ、うん。ありがとう!(笑)あの、ちなみに半年前の360度評価で最低評価もらってた気がするんだけど・・・」
ツッコミどころが多くて、思わず聞いてしまいました。


そしたらその子、こう言うんです。
「あ、そうでしたね。でも、最近、00さん、いい感じですよね」
(なんてポップ!!!私の涙よ!!!)


このやりとりで気がついたのは、周りって、良い意味で自分が思っているよりそんなに自分(私)に関心がないんです。
周りは「今の自分に合った」コミュニケーションをとってくれてるだけでした。
私が楽しく元気にイキイキとした姿を見せていると、それに合ったコミュニケーションをとってくれるし、自信なくうじうじして小さな声でいると、それに合わせてちゃんと「このひと大丈夫?」っていうコミュニケーションをとってくれる。


周りの環境によって自分が決まるのではなくて、自分によって周りの環境やコミュニケーションが決まるんだな。と身をもって知った出来事でした。


そんな周りの変化が出てきた頃、本部から「00のお店にマネージャーの空きが出るから、移動してチャレンジして見ないか?」とタイミングよく昇級のお話をいただきました。


回答は勿論、0.5秒で「やらせてください」です。

うまくいかなかったこと全部やったから、逆をすれば全部うまくいくはず



新しいお店へ移動する初日は、また同じ失敗をしたらどうしようかと怖かったけれど「大丈夫。間違えるやり方は前のお店で全部やった。それと反対のことをすれば、全てうまくいく
この最強の言葉をお守りに持って、新しいお店にいきました。


新しいお店では、すっかり生まれ変わった新しい自分でした。変わるのなんて簡単でした。今まで失敗したやり方以外をすれば良かったから。今までと反対のことだけすればいいって、一番簡単です。笑

この当時のお店では常に売上は前年比超え・客単価は全国ランク150店舗中15位内に入る顧客満足度の高い実績を残すことが出来ました。

でも、本当に嬉しかったのはたくさんの数字結果よりも、一緒に働くスタッフからふともらったこんな言葉。

「00さんが店長のお店で働けて良かったです」

スタッフにこう言ってもらえた時に、あの時私の評価に1をつけてくれた10人のスタッフと「うまくいかないやり方してるだけだ」と言ってくれた上司に、はじめて心底感謝しました。
あの時の経験のおかげで、当時は絶対に言ってもらえなかった言葉を、今、もらうことが出来たんです。この経験が、私の仕事へのスタンス・基礎となる財産になりました。25歳くらいの時の話です。


これを読んでいているあなたがもし、仕事でとてつもない失敗をして、めちゃくちゃネガティブになって、自己嫌悪に陥り、もう駄目だってなって、自己否定の渦に飲まれそうになったら、騙されたと思ってこの3つを取り入れてみてください。

私も、「なんかうまくいってないな」という時は、この3つを見直すようにしています。

①何かうまくいかなかった時に「やり方(考え方)」に着目する

あなたが仕事でうまくいかなかったほとんどの原因は、「あなたの存在」ではなくて、「あなたのやり方」や「考え方」です。
ここを一緒にするのは絶対にやめましょう。まずは本当これだけです。
もれなく私もそうでしたが、ここを一緒にして考えてしまう人が多すぎる気がします。自分の存在価値のジャッジに入ると、もれなくよくわかんないことになります。お気をつけて。


②周りでうまくいっている人をそのまま真似する


結論、真似が一番早いです。私はいつも真似から入ります。女優かのごとく、アインシュタインのような天才になりきって仕事をすることもあります。(自分が天才かどうかの事実はとりあえず無視しています。笑)

うまくいかないのは、うまくいかない原則原理に従っているから。私はこれを言ってもらえて、目の前の景色が本当に変わりました。
自分の課題を乗り越えている、うまくいっている人を探しましょう。自分の課題を乗り越えている人を見つけたら、その人の行動・習慣・言葉の使い方・考え方をそのまま素直に取り入れるのが一番早いです。私もいつもメンターや尊敬する人からヒントをもらったら、それ、すぐやります。としています。自分はこんな人間だから真似出来ない、とは、言いません。どちらかというと、こんな人間だから、先を行く先輩方の真似せんとあかん。です。
自分の持論やオリジナルはとりあえず置いて、「でも」とか、あーだこーだ言わないで、とりあえず真似してやってみるのが一番早いです。


③変わると決める


どうしようもない失敗をすると、心底自分に嫌気がさします。私もどれだけ自分に嫌気を感じたか。だから決めるんです。「絶対変わる」って。
周りって、実はそんなにあなたを気にしてません(笑)周りの目や評価、反応に振り回されるほど大変なことはないなあと思います。私は、部下にリーダーシップについて聞かれて飲んでた水を吹いた時に、他人からの評価を捨てました。
大事なのは自分が自分の在り方を決めること。決めたらとっととやる。過去に失敗したパターンを繰り返さないと決める。無意識レベルに落とし込めるまで、思考や行動パターンを意識して筋トレする。です。
体型を変えるには筋トレが必要なように、変化を出すためには行動や思考の筋トレが必要です。優雅にお菓子を食べてるいつもの日常じゃ、変わることはなかなか難しいです。いつもしていないことをするから変わる。私がいつも「変わろう」と決める時は「いつもしてないことをする」ことを、具体的に取り入れる意識をしています。


と、こんなふうに書いている内容は全部自分に言ってる内容でもあります。

過去、乗り越えたものも多いけど、実はいまだに「あいたたた失敗」はあって、「あの時あの経験があったから今がある」という言葉はまだ言うにはもう少しかかる、まだもうちょっと頑張る必要がある現在進行形の経験が、いくつかあります。

でも、決めてます。
まだ今話せない私のエグい失敗たち。(笑)

「あの時、あの経験があったから、私は今こんな最高な景色をみています」

と、言う近い未来を描いて私は今日も、自分よりも先の景色を見る人たちの思考や知見や行動パターンに触れ、自分もそこに行こうと積み重ねています。絶対に乗り越えて、次の景色をみると決めているから。


「仕事で失敗しちゃった」
いいじゃないですか。私も万を超える失敗をしています。

乗り越えて、財産に変えましょう。

仕事って、人生上での楽しい一つの舞台です。私はそれを、ずっとずっと伝えていきたいです。

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