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求人広告や採用広報って本当に必要なの?

#働き方 #採用

IT系の企業はどこも人手不足だ。エンジニア・デザイナーの求人は山のようにある。1つの会社に一生いるということはほぼないし、転職して年収アップみたいなのが当たり前になっている。

今や創業したてのスタートアップでさえ、調達した資金を採用に思いっきり使う。Wantedlyをはじめ、転職サイトやエージェントなど経由は複数に渡る。そしてブログやイベントをやったりする。

もともとエンジニアやデザイナーが好きで技術について書いていた会社ブログは、どこの会社も技術広報と言う名の宣伝ツールになりつつある。好きなもの同士で集まっていた勉強会も、転職活動やスカウトの場になっている。

具体的なデータがあるわけではないが、最近これらが過剰だなと感じる。広告やブログ、イベントで見聞きした情報に、本当の価値はあるんだろうか?

1人あたりいくら?

例えば転職エージェントに支払うフィーの相場は、求職者の入社時の年収の30%前後だ。年収600万の人が入社すると180万くらいを会社はエージェントに支払う。

求人広告の値段はピンキリだが、安いものだと月3万くらい。それなりに効果を求める媒体だと月30万くらいは払っていたりする。3ヶ月掲載して採用できたら1人の採用に90万かかる。

ブログはコストが見えづらいが、本業がありながら書くので、なにかしら本業でやるべきタスクが後回しになって、その時間が使われているのではないだろうか?

イベントはスポンサードをしたりするとお金がかかる。100人集めるとして、来場者1人あたり1000円の飲食物を提供すれば1回10万円。こちらも3回実施して1人採用できたとしたら30万くらいかかる。

どれがコスパが良いかは会社によるが、とにかく1人採用するのには数十万から数百万のコストが掛かる。

このコストは売上から出さなければならない。なので当然、提供しているサービスや商品に価格転嫁されているはずだし、全員の給料にも少なからず影響をもたらす。

離職率が高い会社は常に人員補充にお金を使っているはずだから、人が辞めない会社より採用費がその分かかる。それはサービスの価格や働く人たちの待遇に反映されているはずだ。

採用費はどこかの金持ちがホイホイ出してくれているわけではない。間違いなく、あなたが払っている。

いっそのこと採用費はゼロにしてみたら?

どこの会社も競って求人広告を出して、ブログを書いて、イベントをやりまくる。やればやるほど消耗戦になっていないだろうか?

ここは思い切って、採用費をゼロにしてみたらどうか?

採用費がなくなった分、社員の給料を上げたり、働く環境を良くしたり、サービスを安くして顧客に還元してみてはどうだろう。そのことで喜んでくれた人たちが、勝手に会社のことを宣伝してくれると思う。

ほとんどの会社が消耗戦を繰り広げる中、採用費ゼロという一見突拍子もないアイデアで、1つ飛び抜けた目立つ存在になれないだろうか?

広くリーチするための広告費

とはいえ、現在いるメンバーによるソーシャルグラフというのは一定の偏りがある。今は多様性が求められる時代だ。好きな人同士だけで集まるのではなく、新しい考えの持ち主とコラボレーションすることが、これまでにない価値を生み出す。だから自分たちのソーシャルグラフとは大きく離れたゾーンにリーチするためには、やはり広告が必要になる。

全くゼロにするのではなく、本当に必要なことに広告費は使えば良いと思う。

経験者ばかり追ってどうする?

技術職はどうしても即戦力を求める。人を育てるのは時間も労力もかかるからだ。みんなが即戦力を求めるが、じゃあ誰が育てるのだろうか?

経験者ばかり追って採用費を使い切ってしまうくらいなら、いっそのこと未経験の人を雇って学校の費用でも払ってあげたらどうか。ベテランとまではいかないが、3ヶ月もすればそれなりに仕事はできるようになると思う。人手が足りていない今、未経験者を育てる力がある会社の社会的存在意義はめちゃくちゃ高い。

キラキラオフィスも充実した福利厚生もやめてしまえ

会社を魅力的に見せるため、やたらとオフィスや福利厚生に力を入れて、採用ページで紹介している会社もある。

内装を綺麗にして移転パーティをしたり、やたらとチームランチや飲み会があったり。部活動の支援?なんで?なんでそんなものに会社がお金を出すの?

これまで働いてきた会社での締め会やパーティは苦痛でしかなかった。

まとめ

「あの会社がやってるから」
そのループに巻き込まれて本質を見失っている採用活動を見ていると、なんだか痛い。

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