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やじー雀王の話。

https://book.mynavi.jp/ec/products/detail/id=41415

5年前、↑ こちら ↑ の矢島享のマイナビ本の前書きを書いてたので、ふと思い出してnoteに載せてみます。

 Aリーグに矢島亨が上がってきたときは、特に注目はしていなかったのである。

 第6期後期で入会した矢島は、確かに異例のスピードで昇級を果たしてきたのだが、私は4期からAリーグにいた。新しく入った選手のことを、一人ひとり覚えているわけもない。

 ある日のリーグ戦の休憩時間、その矢島が鈴木達也プロに何か話しかけている。「ねえ、さっき何待ちだったの?」

 完全なるタメ口である。

「ちょっとちょっと矢島くん、もしかして達也さん知り合いなんだ?」

 心配する私に矢島は、「え?いや全然」と事もなげに返した。なんという生意気な後輩であろうか。達也さんの一つ年上の私でさえ、大先輩の達也さんには敬語である。

 しかしこの矢島、麻雀を見てみると本当に強かった。仕掛け方、降り方、攻め方が理にかなっていた。私はこの選手に興味を持った。

 その生意気な青年は、「やじ研」という麻雀の勉強会を始めた。お金にもならない、ただただ麻雀が強くなるための勉強会を、毎週欠かさず続けてもう4年になった。彼は、麻雀に対しては真摯だった。多少不遜であろうが、打牌が強かろうが、麻雀だけは本当に真面目に取り組んでいたのである。私は彼を応援することにした。多くの人に矢島亨を知って欲しいと思った。

 この本は、そんな矢島の基本雀力をわかりやすく伝える内容となっている。これを読んで皆さんも、ちょっと自信家で、麻雀には心底ひたむきな青年のことを少しでも知っていただければ幸いである。

今読むと、当時まだ若かったやじーにちょっと上から目線で言ってるみたいな自分が恥ずかしいです笑

本当に強くなってしまいましたね。

日本オープン、雀竜位、そして雀王と。19年協会の歴史があって、これら全て戴冠したのは、もちろん初めての選手です。

アンチエイジングが得意なこととか、トークは結構滑ることとか、いろんなお茶目なところはあるんですが、この「やじ研」を毎週毎週欠かさず、5年前の本出版当時で丸4年、やってたんですよ。もちろん毎週来る人来ない人います。4人そろわないときもあります。やめる人もいます。

それでも、矢島は生徒が一人でも、続けたんです。常人には無理です。見た目の爽やかさと違って狂気の熱意です。

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麻雀プロという結果を出すことが困難を極める世界で、上達の熱意を持ち続けてこれだけ一つのことを継続していくのは、どんなに力強い精神が必要だったことでしょう。

6期入会ですから矢島は選手としては14年目ですね。やじ研もやりながら協会で戦い続けて、ついにここまで来ました。

堂々、圧巻の第19期雀王です。おめでとう。

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