真田槐は、チンイツに通す牌を瞬時に看破した
(会報コラム「ボーダーライン」第14号/2023.7)
前年度のA2リーグで首位昇級を決め、今期よりA1リーグに参戦した選手が真田槐である。
去年A1参戦の1年目にいきなり雀王を獲得して、現在大いに活躍している浅井堂岐のように、突然疾風のように一線に現れて協会を代表するスター選手になること、それはいつだって起こり得ると思う。
2023年5月22日(月)、第2節B卓の対局に真田は出場していた。
北家の真田は2mと白をポン。
4pと4sのシャンポンでトイトイ白のテンパイを果たしている。
それを受けて下家に座っている東家の小川裕之が、まずカン2pでチー。
ドラ入りチンイツに向かった。
そこに真田は7pを掴む。
相手は親ということで、この尖牌を降ろすことに少し躊躇はあったが──、
これをツモ切って、小川が食いつく。
カン7pで鳴いて、打9pとした。
14p待ちの18000テンパイである。
それから双方にアガリの生まれぬまま、終盤に真田が掴んだのは、6pであった。
下家は18000。
自身はそう自信の持てないチュウチャン牌のシャンポン待ちである。
おそらく多くの人が手を止めるか、迷いの起こりそうな局面で──、
真田は幾ばくの逡巡もなく、その6pをツモ切ったのである。
全くのノータイム。
もちろんこれは無思考の押しではない。
真田には、これが通る確信の理があった。
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