見出し画像

珍しく「背景」がものすごく印象に残る同人作品「既婚者の〇活は最高です」

ウェブトゥーンがあっという間に同人誌市場の規模を越えたというニュースを見ました。同人誌がウェブトゥーンの方向に進むことはないと思いますが、スマホシフトはさらに進んでいくと思われます。

DLSiteはそれに先んじてスマホでの視聴に特化した形のビューワーを出しておりスマホで購入してその場ですぐに楽しめるようになっています。

DL同人についても影響がないわけではなく、この過程において当然以下のような変化が出てくると思われます。

①コマの大型化、場合によっては1ページ1コマといった大胆なページの使い方も増えてくる

② →①に伴うページ数の増加(ページ数少ないだけでちょっと高いと思われがち)

③カラー作品の需要が増える(スマホでは繊細な線が評価しにくい)

④シリーズもの、連載作品の定着化(すでに「アナンガランガ」などのウェブ中心の商業雑誌では連載形式が定着化してきている)

同人ゲームでもエロ特化作品ほどスマホ対応を意識し始めており、シンプルなインターフェースでどこまでゲーム性を作れるか試行錯誤されていたり、スマホ操作を前提とした作品が登場したりと面白い状況になってきています。


とはいえ現時点でもHMDなどの企業が、フルカラーCG集を廉価で提供して一定の需要を満たしていますが、これだけだとあまりスケールしない。
やはりスマホ需要、さらにいうと「女性も読める」作品を作っていくところまでいかないといけないということで、まだまだ個人が主戦場である同人業界は企業にとっては参入障壁が高そうです。


スマホで見ることを前提としたエロ同人作品も登場

DL同人マンガで去年印象的だったのは「彼女のスマホを覗いただけなのに」シリーズですね。

こちらは「スマホでの閲覧を前提とした作り」で話題になりました。ストーリー自体はオーソドックスなものでしたが、うまく作中でのギミックを使って臨場感を演出していて面白かったです。結末部分は「椋蔵」先生のラブトライク!を思い出すようなヒロインの魔性ぶりもあって印象に残りました。間違いなく2021年度の作品の中で10本選ぶなら入ってくる作品でした。


おそらく企業がウェブトゥーンとして同人に参入してくるとしたらこんな感じになるのではないかと思った作品


同様に印象的だった作品としては以下の作品が挙げられます。

【20%OFF】 既婚者の性活は最高です

ストーリーを見ればただの夫婦のらぶいちゃものなのですが「いろんなシーンでデート&S〇X」という感じを演出するために背景を活用しています。

「夜の繁華街のデート」と、「昼に青〇ンやカー〇ックス」では雰囲気がガラッと異なっており、一つの作品内でたくさんのシーンを見れたという満足感が全然違ってきます。

フルカラーでページ数もシーン数も多く、絵もよくできており、内容として女性が読んでも楽しめる作品だと思います。いろんな意味で12月激戦区の中でも頭一つ抜けたクオリティだと感じました。おそらくですが、エロ同人に「ウェブトゥーン」的な製作体制が参入してくるとするとこういう感じの作品になるんじゃないでしょうか。


というわけで、個人的にはこの作品見た瞬間に「これ絶対めっちゃ売れる」と思って結構頑張って紹介したんですが、実際は2000部程度でとどまっています。FANZAの売り上げ本当によくわからない……。


2022年度のDLSiteとFANZAの争いについて

ここから先は

503字

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?