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「ハルヒスキーのDL同人教室」5回感想:DL同人作家にとっての良い差別化・悪い差別化を理解する

#DL同人の話

前回までのまとめは「売り方」「宣伝の仕方」など、作品周りに関する心構えの話でした。お城で言えば「外堀」の部分ですね。

5回目の動画からはいよいよ作品そのものについての話です。とはいえ、5回目はまだ作品の差別化ポイントということで今回は「内堀」という感じ

6回目からは本丸部分である「作品作り」についての解説が始まっていきます!


差別化ポイントの「伝え方」がわかったら今度は「作り方」を考える

4回目では差別化ポイントの「伝え方」について説明されてました。
5回目ではその手前の差別化ポイントの「作り方」について説明してくださってます。セットで聞くとすごく参考になると思います


「ストライクゾーンを外そう」と意識するのは、間違った差別化・ニッチ戦略です!

①「誰もやってないことをやる」のは差別化ではない →需要がないところはニッチではなくただの無人の荒野

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もともとニッチ戦略というのは「そこに需要があるけれど大手が何らかの事情があって入りこめない」エリアを狙うこと → 在庫を必要としないデジタル同人業界においてそういう場所は本当に需要がない荒野である可能性が高い!


「差別化」とは「戦いから逃げる」ことではなく「優位性を作ること」である!


②そもそもニッチで戦うためには何かしらの「売り(優位点)」があるはず→顧客のニーズに特化することが差別化。そのニーズなら自分が優れてます!って言えるものを作ること




「差別化」の要素は作者ではなく読者が決める!

「顧客のニーズを優れた形で満たす」ことが差別化なのだから、芸術家みたいなオンリーワンを目指すのでないなら「優位点」は作者が自分で勝手に決めるのではなくて読者側から考えてみよう


①まず「ジャンル」のタグを決めるところからスタートする



②ジャンル決めにはマーケットのデータを参考にする

https://ch.dlsite.com/matome/74938
https://special.dmm.co.jp/fanza/feed/news/fanza-report-2018-doujin

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自分で描きたいことを描くだけなら「趣味」、仕事として考えるなら「ニーズ」から考えるように!


③タグを決めたら、まずそのタグで読者がイメージするであろう「ストライクゾーンど真ん中(王道)」を狙うプロットを考える(ここ重要)

上で述べたように「差別化」と言うのは自分が選んだタグの中で「優位性」「優位なポジション」を持つことであって勝負を避けることではない。

なので、そのタグについて読者が求めているストライクゾーンを絶対に外してはいけない。タグを決めた後にボール球を投げたり敬遠球を投げても誰も喜ばない。まずきちんとストライクゾーンにど真ん中のプロットを作った上で、読者の満足度を高められる方法(優位性)を作ることを考える。


一方で「DL同人作家は自分の描きたいものしか描けない!」という現実を認め、ポジティブに考える


つまり、最初からど真ん中を狙ってても、作者の個性や性癖や描きたいものが出て「自然に」個性はしみだしてきます。

なので、企画の段階で芯の部分はきっちりコースのど真ん中を向いていれば、読み手のストライクゾーンにギリギリ入って、しかもちゃんと作者の個性が出る。 最初からストライクゾーン外そうとすると、読者のニーズと全然外れたところに飛んで行って大外れになる。

だから、最初は安心してストライクゾーンど真ん中を目指して投げ込もう!

という野球のたとえ話はかなりわかりやすいですね。


顧客のニーズの理解と、自分の味の重ね方に試行錯誤の余地がある

ここから先は、決まった答えはないので、一人一人が試して自分にとっての正解を模索し続けるしかないってことですね・・・。




・・・と、今回のnoteはこのあたりで。このnoteで紹介しているのはだいたい動画の1時間までです。

そこから先は「個人事業主」としての同人作家の大変さについての話がいろいろと語られています。興味ある人はぜひ動画を見てください。動画の途中に秋葉ぺぺろん先生も来られて話が盛り上がってましたよ。

同人作家が理想とすべきゴールは「仕事としてのマンガ家をやめること」「食うためにマンガを描くではなく好きな時に絵を描いて食っていける状態」らしいです。

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おまけ とある人気作家さんの失敗談

※ハイエロさんは6万部売り上げた大ヒット作を持つ人気作家さんですが、そんな作家さんでも、その大ヒット作の後に爆死経験があるそうです。

ハイエロさんはFANZAの中で新しい売り筋を狙って「なろうで人気のジャンルだけれどFANZA同人ではニーズが弱いガチの異世界もの」を作ろうとしたことがあります。この時に製作期間7か月かけてフルカラー76pの作品を作り、価格も990円とかなりお得な内容でした。

しかし、ハイエロさんの知名度や、コスト度外視のフルカラー76pで990円という価格設定など全ての武器をつぎ込んでみても全く通じず完全に爆死したそうです。(これを笑い話にできるの、メンタル強すぎてすごい…)

1つ前に出した学園ハーレムものはきっちり9000部越えの売り上げだったことを考えても、ジャンルの真ん中を外すだけでここまで結果に差が出てしまうということに驚きを感じます。ほんとに同人作品というのは、1作品1作品が綱渡りの世界であることがわかりますね……


おまけ2 島田紳助さんのX軸とY軸の話

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……今後のまとめについてですが、前回述べたように、ハルヒスキーさんのDL同人教室は内容もさることながら、見せ方が面白いので本当は全部紹介したいところなのですが、すでに40回くらい配信されててさすがに全部紹介するのは無理なので、ここから先は主に「作品作り」に関係する動画について中心に紹介していきます。



(特に動画の内容と関係のない余談)

動画の内容と関係ないので読み飛ばしてください。

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