「ハルヒスキーのDL同人教室」感想(9回目):「同人作家に特化した」 ストーリーの作り方
今までで紹介してきたハルヒスキーさんの動画では以下のような話がされていました
DL同人というビジネスの特徴(1回目、2回目)
DL同人の商品特性(3回目)
DL同人の宣伝の仕方・売り方(4回目、34回目)
DL同人で勝負するジャンルの選び方(5回目、21回目)
これらはすべて作品作りの「周り」の部分です。
今回からいよいよ、具体的な作品作りについてのお話を紹介していきます。
基礎を抑えつつ、「エロ同人」という特殊なフォーマットを意識した物語の作り方について解説していく
今回の動画、導入部分からして好きです。
「ネームの作り方」の教科書も「物語理論」の本もたくさん世の中にある。それはわかってるけど、じゃあそれをどうやってエロ同人の作り方に活かすんだよ!(逆ギレ)という悩みに応えるためのお話をします、って口上からスタートします。
ターゲットをグッと絞り込んで、具体的な欲求にこたえますよ!と打ち出してるわけですね。私は単純だからもうこの時点で動画に引き込まれてしまいました。
というわけで、早速見ていきましょう。
動画でもスライドありでまとめてくださっているので、動画内容の紹介はあっさり目にして感想メインでまとめていきます。だいたいどんな内容が語られているのか確認して、具体的な部分は動画もチェックしてみてください!
はじめに:漫画作ろうとする人が躓きがちなポイントを自覚する
まずアイデアを頭の外に出して、客観視できない人はどんなに考えても作品を作るところまで行けない。
良いアイデアが頭に浮かんだら、まずメモをとって、それからいろいろ加工してプロットに昇華していくという習慣を身に着けていきましょう!
スタート地点:登場人物に①「Hしたい」という欲求を②「説得力がある形で」持たせる
ストーリーのエンジンは「欲求・欲望」である
極論すれば、この2つの要素さえあれば、エロ同人の骨子は出来上がるということです。まずはこの部分でいろいろアイデアを出していきましょう。
それが出来たら、次は「ストーリー系」でいくか「シチュエーション系」で行くかでさらにアイデアを具体的にしていきます。
◆ストーリー系エロの作り方:欲求達成のための「障害」「ハードル」「葛藤」を作り、それを打ち破る展開を作る
「砂漠」とか「無人島」といったシチュエーションを想像すること。
男性Ver。
女性Ver
この動画を聞いていて、私が最初に思い出したのは例えばこの作品ですね。いままでまじめ一筋で妻もいる中年男性が、若い女性に誘惑されて、その誘惑にあらがいきれず……という作品なのですが、「女性ならありがちなものを男性側にするだけでだいぶ印象が変わる」という例になってます。
多作な作家さんはこちらを好む傾向があります。例えば「DLOシリーズ」や「サイクロン」さんなんかもこちらのタイプですね。
もうこの時点で「NTR」作品がいかにエロ作品にとって理想のフォーマットを備えているかわかるよね……。「キモいおっさん」が催眠使ったり、犯したりして、カースト上位の女性やら黒ギャルやら人の彼女といった「障害」を乗り越えて欲望を満たすという展開を短いページでこなすための要素が備わっているわけです。「倉田有稀子の告白」シリーズはいいぞ
女性向けエロ同人はさらにこれを突き詰めていて「オメガバース」という概念があります。(サンプル①、サンプル②) 男性向け同人ではいまだにあんまり知られてないですが、多分もうすぐ広まってくると思ってます。
◆シチュエーション型エロの作り方:読者の求めてるシチュエーションを直球で差し出すパターン
めちゃくちゃ「たまごろー」先生推しで草www 他に「敷島玩具」さんの作品などが紹介されてますね。私が最初に思い浮かべたのは「福山さん」シリーズでした。
最初から好感度MAXの彼女、痴〇もの、レ〇プもの、触手もの、特殊な風習もの、常識改変ものなどなど読者のフェチズムに深く刺さる要素を突き詰める。こっちの方が強いけど、ストロングスタイルでの真向勝負になります。
圧倒的に人気が高いのは「ひぐま屋」先生や「もつあき」先生ですね。特にひぐま屋先生はファンサイトで「没になったネタ」を公開されているのですが、それを見ると、どれほどまでにシチュエーションにこだわってるのかすごく伝わります。他にも「にゅう工房」などが最近強い印象あります。
ちなみにこの両方の要素がある「チンジャオ娘。」さんや「青水庵」さんといった化けモノサークルも存在しますが、真似するとたぶん死ぬやつ。まずはどちらか一つを意識して作品を作っておくとよいと思います。
二つの違いを理解したら、自分の性癖を掘り下げて、どっちで勝負するかを考える。
自分の性癖がアイデアの源泉。
あとはそのアイデアをメモしまくって、言語化しまくって、そこから自分の作品をどちらに加工していくかを決めていく。
1時間30分から先はコメントへのレス返しですが、1つ1つ的確にコメント返されててハルヒスキーさん本当にすごい……。
というわけで今回の動画の紹介はこんな感じで。
今回は自分の感想が多めになってしまいました。次は内容紹介の部分と感想を分けてもうちょっとすっきりまとめたいなと思います。
次回は「欲求」が物語を動かすエンジンで、「感情」は物語をコントロールするハンドルというお話をされるそうです。
おまけ 動画で紹介されていた作品
①カート・ヴォネガットの小説創作の八か条
に収録されています。
1、赤の他人に時間を使わせた上で、その時間は無駄ではなかったと思わせること。
2、男女いずれの読者も応援できるキャラクターを、少なくとも一人は登場させること。
3、例えコップ一杯の水でもいいから、どのキャラクターにも何かを欲しがらせること。
4、どのセンテンスにも二つの役目のどちらかをさせること……登場人物を説明するか、アクションを前に進めるか。
5、なるべく結末近くから話を始めること。
6、サディストになること。どれほど自作の主人公が善良な人物であっても、その身の上に恐ろしい出来事を降り掛からせる――自分が何からできているかを読者に悟らせるために。
7、ただひとりに読者を喜ばせるように書くこと。つまり窓を開け放って世界を愛したりすれば、あなたの物語は肺炎に罹ってしまう。
8、なるべく早く、なるべく多くの情報を読者に与えること。サスペンスなぞくそくらえ。何が起きているか、なぜどこで起きているかについて、読者が完全に理解を持つ必要がある。たとえゴキブリに最後の何ページかをかじられてしまっても自分でその物語を締めくくられるように。
②ストーリーメーカー
③死刑中脱獄進行中
おまけ2:ハルヒスキーさんの性癖
見られて恥ずかしがっている女の子が好き
→露出好きな女の子
→人に見られて興奮しちゃう女の子
だそうです。
といった性癖を凝縮してできたのが「最新作の3部作」なわけですね。このあたり意識して読むとさらに面白く感じます。
おまけ3
コメントに作品読ませていただいたことがある秋草ぺぺろん先生とクライムクラウンさんが。
たぶん私が気づかないだけで他にもエロ同人で活躍されてる人たくさん見ていらっしゃるんだろうなと。
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