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ノンポリのためのざっくり左翼史② マル革(革マル・中核)の時代=内ゲバの時代

山本直樹「レッド」がクッソ面白かったので、主犯の森恒夫と永田洋子の思想的源流を探るため新左翼の勉強するよ、のコーナー第二回。 すでに「ものづくり太郎とガリバー」はどうしたってお叱りが発生してますが、あと2回くらいで終わるからもうちょっとだけ待ってください。

の続き。前回はブント主導の安保闘争がとん挫したところまで


ブントにかわりマル学同(日本マルクス主義学生同盟)が主流になる

その他「社会党」系の日本社会主義青年同盟(社青同)の流れからつるや連合(社学同、マル学など)ができるがここで「内ゲバ」が発生する。

これによってマル学同が制圧し、マル学同が全学連を制圧。「革マル派全学連」となる。

マル学はそのスタートラインからスパイ問題があって分裂していたが

さらにそのあと革マル派と中核派に分裂した。

今までと違い、中核派と革マル派の分裂は思想的な違いではないが、ここが一番仲が悪い(笑)

音楽性の違い?

黒田寛一が独立路線を主張して分裂。なお、中核派のリーダーの本多は後の1975年に内ゲバで革マル派に殺されている。


黒田率いる革マル派の特徴は「権力謀略論」

「自分たちを批判する奴は、権力に操られてる連中なんだ」「だからそいつらを排除するのは正しいのだ」という無敵理論・・・。
こういうのがまかり通ってたらそりゃ自浄作用もくそもないよな……今のフェミ系アカデミズムもこんな状態になっててマジで笑えない。

ブントの残党は関西派閥だけが残り、他の派閥と合流して第二次ブントを形成

社会党系の勢力(社青同)などと合流。

中核派・第二次ブント・社青同が結束して「三派全学連」を形成し、革マル派と対抗

社会党系からはもう一つ「ML派(マルクス・レーニン)」というのが分岐し、警鐘グループを形成(ここが連合赤軍の源流)

マルクス・レーニン主義からスタートしたのに、なぜか親中。マオイズムとか婦人解放を訴える(が実質は女性蔑視)

1962年に失脚した後1966年に「文化大革命」で大逆転したことに感銘を受けたのだろうか? 実際この時期は全く実態を知らずに西洋人が絶賛してた。

この時期に「暴力は正義」「造反有理」みたいなのが一気に叫ばれたんだよね。マジでこの当時の異様な空気は当時に生きてないと絶対にわからないんだろうなと思う……。

その影響を一番受けたのが川島豪。この人物がやっかいで、永田洋子はこの人物に心酔していただけで本人にはたいした思想はなかったといわれている

「レッド」において永田洋子がなぜわけわからん思想に陥ったのかはまったく描かれていないので、この川島を理解するのは必須だろう。

同様に、森恒夫も思想的な軸はなく塩見孝也がカリスマだった。

山岳ベース事件は、この二人の影響を受けたただの中間管理職が起こした事件って考えると・・・犠牲者の人たちはますます救われないなあ。


この警鐘派に、共産党を除名された親中派(神奈川左派)が合流

この当時は共産党は親ソ連主流だったのかな?

だから「反米愛国」路線になってるのか。

文化大革命(1966年)の熱狂とベトナム反戦運動の過熱で暴力主体の学生運動が盛り上がる

おそらくみんな怖かったんだと思う。
第二次世界大戦で負けた日本は、アメリカという国が自分たちの国を作り替えていくことにものすごい違和感というか恐怖を感じていたんかなと。
そんなアメリカが、原爆では飽き足らず水爆実験を行い、そして日本の国民が被害にあったのに泣き寝入りさせられたあたりで完全に不信感を持っていたんじゃないかと。内田樹なんかのヒステリックぶりを見てるとそう思う。

だから共産主義というよりアメリカに対抗する存在に救いを求める部分があった。これ自体は共産主義者でなくてもそうだったのかな、と。そういう時に、アメリカによるベトナム介入があったからますます嫌悪感が強くなったんだろうなと。

この当時は、沖縄はまだアメリカ占領下であり、その沖縄からベトナム北伐の戦闘機が飛んで行ってた。

ここで「内ゲバ」で培った闘争スタイルが対機動隊に用いられ、機動隊は大きな犠牲者を出し、さらに学生運動が盛り上げる。

これが原因で「敷石一掃運動」が行われ日本の道路はアスファルトに置き換えられるようになった

末期のやつが「三里塚闘争」

成田空港認可をめぐる疑惑がきっかけでおきた批判運動に、新左翼連中が総動員された。

これについて批判自体は正しかったが、新左翼が目立ち暴力による抗議が主体になったおかげでいろいろとおかしなことになってしまう。


次回は「全学連」→「全共闘」の時代に

もうおなか一杯なので今日はこのくらいで。
「革マル派全学連」や「三波全学連」はどうなってしまうのか……。

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