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マシュマロ漫画001:「ホーキーベカコン(春琴抄より)」

※マシュマロで紹介してもらったマンガ作品などについてはnoteで感想を書きます。今までnote経由でいただいているお金を原資にしますので、気軽にお勧めしてください。なお、時期によってはお勧めしてくださったマンガを読むまで時間がかかることもあると思いますがご了承ください


紹介する作品の1作目は「ホーキーベカコン」です。春琴抄は、瀬戸口廉也「CARNIVAL」の第二部でとりあげられてたのをみてはじめて興味を持った作品ですね。

原作アリ作品ということで、2巻まではストーリーネタバレは一切配慮せずに詳細に内容を紹介していきます。なぜかというと、とにかく3巻を読んでほしいからです。

すでにいろんな人が絶賛しているように、本作は根っこの部分から大幅に原作が改変されております。2巻まではその変化がさりげないので気づきにくいのですが、2巻の最後、そして3巻の冒頭で一気に化けます。なので、原作を知っている人ほど(せめてあらすじを知った上で読むと)感動すること間違いなしです。「そうはならんやろ」「でもこの二人なら……」という感じで戸惑いつつも、もともとこういう話だったような気がするような、そんな絶妙な改変になっています。

元祖ツンデレ作品として有名な「春琴抄」は今でも語り継がれる名作ゆえに、そのツンデレ作品をここまで昇華させた本作は間違いなく面白い作品でした。

しょっぱなからめちゃくちゃいい作品紹介してもらってテンション上がる!


まずは原作のあらすじをおさらいしておきましょう(必須)

大阪の薬商人の家に生まれ育った春琴は9歳の時に視力を失って、以後は三味線の稽古に励んでいきます。そんな彼女に付き添って何くれとなく世話を焼いているのが、奉公人の佐助です。佐助自身も三味線奏者の道を歩んでいくことを決意し、春琴の罵倒にただひたすら耐え忍びます。恋人でもなく夫婦でもない関係を続けていくふたりに、悲劇が降りかかってくるのでした。

とにかく有名なのはこのシーンですね。ここだけは知ってるという人もいるのではないかと思います。

佐助は美しかった頃の春琴の姿だけを胸の内に焼き付けようと、自らの両目に縫い針を突き刺してしまいます。ふたりは共に光を失った三味線奏者として、弟子のてるに傅かれながら天寿を全うしました。


はっきりいって現代の感覚ではあまりに異常な人間関係であり、なにより、春琴の感情は誰にも分らないというのがミソなわけで、それをマンガで描いてしまうのは危険かなと思っていましたが、全然大丈夫でした。


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