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「教科書売りの少女とオッサン」 二人の人間を通して抽象的な話をする演劇っぽい話


いろんなものを「あえて描かない」ことによってギリギリ作品として成立させているのが面白いなと思った。

本作品は、世界観がぼんやりしすぎていてこのオッサンや女の子が立ち向かおうとしている壁みたいなものがピンとこない。

だが、それゆえに「教師」とかそういう具体的なものではなく、もっと幅広く「夢」とか「なりたいもの」みたいなものを抱いて戦うことと、それをサポートすることの尊さみたいななにかを描こうとしているのだろう。


その結果、最初の夢(教師になりたい)が叶わなくても構わないし
別に教える側が教師でなくても構わない。

誰かが子供に戦うための武器を与え
子供がその武器を持って人生に立ち向かい
そしてその結果、ちゃんと自分の意志で自分の生きる道を選べるようになる

そうやって自分の人生を手に入れた人が
また次の世代を助けるために自分の選んだ道の先で戦う

そういう抽象的なイメージのほうが大事なのだろう。


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