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「鉄鼠の鼠」3巻 人間は罪悪感に耐えきれない。だから罪悪感は裏返って被害者意識を作ってしまう

私は鉄鼠の鼠の3巻で語られる頼豪鼠のエピソードの解釈と、それを援用して桑田常信の憑物落としをするシーンがとても好きだ。

「被害者意識」というものを非常にわかりやすく描いているから。


頼豪鼠は、菅原道真を祟神として祀るのと同じ系統の話

頼豪は褒美として園城寺の戒壇院建立の願いを申し出たが、対抗勢力である比叡山延暦寺の横槍のため、叶えられることはなかった。このことを怨んだ頼豪は、自分の祈祷で誕生した皇子・敦文親王を、今度は祈祷で魔道に落とそうと断食に入った。やがて100日後、頼豪は悪鬼のような姿に成り果てて死んだが、その頃から敦文親王の枕元に妖しい白髪の老僧が現れるようになった。

この頼豪鼠のエピソードを見て皆さんはどう感じますか?
一通り考えてからぜひこの3巻を読んでみてほしい。


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