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お前は何を言ってるんだ →「私が言っていた"見たくない権利"の話は法律とは関係ありません」

アイキャッチはこちらの記事から。


ハフポストの「たわわ」批判の記事はありえなさ過ぎてびっくりした…


もう一般人の意見は無視でいいと思ってるけど、これはびっくりした。かりにもジェンダー問題の専門家を名乗る人が何を言ってるんだ……。

私も一応法学部卒の人間なので、れんげ先生の発言はマジであり得ないと思う。


これは法律を学んだことがない人がよくやらかす間違いなんだけど、実務に携わる専門家でこの勘違いはマジで致命的

れんげ先生のやらかした発言は、片山さつきさんの誤用と同レベルでクソなんですよ……。

自然権の話をするとややこしくなりますが、権利ってのは原則として誰かの義務によって支えられています。根っこから生えてくるわけじゃなくて「お互いの権利の線引き」を設定するところから生じるんです。国境問題と似ています。
そのためお互いにとって一切妥協のないベストが実現されるということはなくて、お互いに妥協しあう必要がある。その妥協の結果いったん落ち着いた着地点を「法律」として決めてるわけ。お互い100%納得はしてないだろうけど、とりあえずこのルールで社会を運用していこうねって定めてるのが法律なのですよ。

なので新しい権利を主張したり、今よりも権利を拡大しようとしたときにはそれは自分たちだけの問題じゃなくて、ほぼ間違いなく関係者がいます。だから権利を考える際は、必ずその権利がほかの何かとバッティングしないかを考える必要がある。

っていうか、というか「見たくない権利」概念は憲法で保障されている表現の自由とずっとバッティングして問題になってるのくらいさすがにわかってるでしょ?「ジェンダーをめぐる表現問題の専門家」なんだから。むしろ表現の自由を同じ理屈で批判してるんだからここが綱引き状態なことを理解できてない訳がないですよね。

なので、権利という言葉を使い始めた時点で、法律問題ど真ん中出し避けて通ることはできないんですよ……。


一応発言全部見るとれんげ先生はさすがに「見たくない権利」が法で無制限に認められてないことはわかってるみたいだけど、、、

この問題に関しては「とらわれの聴衆」判決が出ています。見たくない権利は「プライバシー権の一部」として認められていますが、むしろ公共の場では見たくない権利は相当の妥協を求められることになっています。

表現規制大好きな人はよく公共の場を理由に見たくない権利を強弁されますが、むしろ公共の場では相当な理由がないと「個人的な見たくない権利」は認められないとはっきり判決出てるんですよ。

いい加減「公共の場がー」とか言ってる人はこの根本的な間違いに気づいてほしい。あなた方が言ってるのは逆なんですよ。


そもそもれんげ先生の言い分をざっくりまとめると、

①れんげ先生が日経新聞を批判しているのは日経新聞の自主規制ガイドラインの問題であって「見たくない権利」の問題は全然関係なかった。

②にも記者のまとめ方がミスリーディングになって、あたかも法律の問題であるかのような記事になってしまった

という話ですよね。

あくまでも「わたしがかかわってる日経新聞の問題でした」という話なら、ちゃんとそう分かるように書くべきですが、ハフポストの記事ってそうなってますか?なってないですよね。


広告のメッセージについて助言する立場の「専門家」の発言として、このメッセージの伝え方の致命的な下手さは大いに問題があると思う


今回の記事で、「見たくない権利」という言葉を使う必要は全くなかったし、最初から日経新聞の問題であることを強調すべきだった。

それを怠っておいて「そんなこともわからんのか。このたわけが!」と不破センセイのようなことを言われても困る。別にいいけどそういう意識なら広告のメッセージに助言する立場の人間としては能力面で疑義があると思う。


「権利」という言葉を使うときはれんげ先生みたいに雑にやるんじゃなくてもっと慎重にやるべき


現時点では、「見たくない権利」はすでに判例出てるんだよ。

日経新聞が独自に「見たくない権利」を尊重しますと自主的にガイドラインを用意するのは構わないけど、それなら絶対に「これは日経新聞独自の基準なのですが」と強調すべきだった。しかし、今回れんげ先生の記事はそういう説明をせず、なし崩し的に「一般的に認められてるもの」として読者に誤認させようとしたようにしか見えません。

これが本当にタチがわるいなと思ってます。なぜなられんげ先生は日経新聞の当事者だからです。自社限定のルールを勝手に一般化しようとしてる。

れんげ先生がやったのは経理部門の人が「私の会社ではこれは収益です」「法的は認められてないのは納得しています。でもいまの会計基準は不合理だから私たちの会社のほうが正しいんです」って言ったようなもんです。これ普通に「ルールは守れよ」で終わりですよね。気持ちはわかるけど、みんなルール守ってやってる中で一人だけぬけがけしたらあかんって。メタッ〇スじゃないんだからさ……。


今回のれんげ先生みたいなことをやられると「ジェンダーの専門家はメ〇ップスみたいな振る舞いをやるかもしれない」と警戒せざるを得なくなるからやめてほしい


ちゃんと「今はその権利が法で認められてないけど法で認められるべき」って正直に公表したうえで運動していかないと……。そうやって都合の悪いところを見せないようにしてなし崩し的に人を動かそうとすると痛いしっぺ返しがありますよ。

「表現の自由」について法で認められてる権利ですら馬鹿にしたり無効だと主張する人が妙に多いと思ったけどやばいな。ここから説明しないといけないのか。

繰り返すけど、別に素人がこういう勘違いをしてるのはまあ許せるんですよ。どうせ言っても話通じない馬鹿だからその人たちの誤りをいちいち指摘するのはもうあきらめました。ただ、れんげ先生はダメでしょ。あなた「専門家」なんちゃうんかい。企業広報という実務にかかわる仕事してるんちゃうんかい。
それでこの返答はダメですよ。



れんげ先生は今回は「法で認められていない権利があたかも実在するかのように語ってしまいました」「日経新聞の独自事情を一般化して語ってしまいました」以外にいうべきことないでしょ

マジで逆切れしてる場合じゃyなくて、れんげ先生の今後の信用問題だとおもいますよ私は。


白饅頭さんのはツイートは明らかに恣意的な曲解だけれど、こういうメッセージを受け取られかねない発言をしたらダメですよ。プロなんだから。

れんげ先生がこういう態度取るなら、日経新聞は別にれんげ先生を雇う必要がなくなるどころか、むしろ雇ってることがリスクにすらなりかねない。


恣意性が許される人知主義だと絶対に「マイノリティ」が一番迫害を受けるから今後も「みたくない権利」をあたりまえのように主張する人には気を付けましょう


これ「オタクは大衆に迎合すれば救われる」主義の汐街コナにも言いたいんだけど。人知主義に接近するような運用を主張するのは絶対に避けるべきです。それは法治主義国家で一番やっちゃいけない誤謬です。

権利はちゃんと法律によって保障されるべきだし、すでに保障されている権利はないがしろにしてはいけない。

「見たくない権利」について主張するなら、相当慎重にやるべきです。そういう言葉を軽々しく使うからこうやってボコボコにされるわけで、今回に関してはれんげ先生に全く同情の余地がないです。


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