見出し画像

フェミニズム連合の崩壊

アイキャッチはこの動画から。


今までなんだかんだ内部対立を行いつつも、一人一派だのなんだので「フェミニスト」を名乗るものについては一つの国として扱ってきたフェミニズム同盟。

しかし、ここにきて、突如リベフェミ側が主体となって「ラディフェミ」、特に「TERF」と「ミサンドリスト」を実質的に切り捨てる宣告を行うことになった。



「原則」の共同声明は実質的にリベフェミによるクーデターになっている

フェミニズムの主導権を完全に奪いにきた形になっている。

長い間「フェミニズムのためであれば、他の人の人権を無視することが実質的に黙認される」という状態が放置されてきたが、

私たちは、どんなグループの人々の人権も、他のグループの人権の犠牲の上に成り立つものではない、ということを確約します。この共有する原則と価値観は、あらゆる場所の様々なフェミニスト運動を結びつけていることを確約します。

これをフェミニストの基本原則としたことにより、今後は、いくらフェミニズムのためと本人が言おうが、「TERF」や「ミサンドリスト」が従来の主張を繰り返す場合、「こいつらはフェミニストではない」と切り捨てることが可能になった。

つまり、この原則がフェミニスト外で広く受け入れられた場合は「一人一派とは言っても限度があるよ」「いくら自分でフェミニストを名乗ってもその資格がない人間がいるよ」ということが明言できることになるわけだ。

これは実質的なリベラルフェミニズムやトランスジェンダズムによる「フェミニスト」概念の簒奪・独占を意味する。



ラディフェミは第二派フェミニズムまでの間では主役的な立ち位置で活躍していたが、ポストモダン論争以降は社会貢献が少ないわりに態度がでかいのでヘイトを溜めやすかったのかもしれない


第二波以降の流れと、日本の事情についてはヤヤネヒロコさんのnoteが詳しいのでぜひ読んでみてほしい。

ラディフェミはもともと「リベフェミだけでは解決できない問題」に取り組んできた。リベフェミだけだと「白人女性」「女性の中でもエリート層」中心になりがちで、現在でもトイアンナさんらの「マッチョ」寄りの女性が支持しているイメージがある。これではフェミニズムに限界があった。

この時期のラディフェミはリベフェミを批判しつつも、フェミニズムを拡張していく原動力となっており、この時期はむしろラディフェミこそがリーダーシップを取っていたともいわれている。功罪における功の方が大きかった



個人的な印象では「ネトフェミ」「ツイフェミ」と揶揄されるのは主にラディカル・フェミニスト側というイメージが強い

ここからは個人的な印象であるが、特に日本のTwitterでは声だけでかいラディフェミよりの人たちの勢いが強かった。「俺が、俺たちが」的なノリで「我こそが女性差別撲滅のために戦っている烈士である」というアイデンティティを持って暴れまわっていた。

そして、この人たちはTERFやミサンドリ的な意見を擁護したり、日本の男sageを一生懸命やって積極的に男女の分断を煽っていたイメージがある。この結果、ラディフェミを中心に、TERFやミサンドリの強い人たちが重なって「ネトフェミ」「ツイフェミ」のイメージになっていると私は思っている。


リベフェミは一定の限度や節度があり、何より会話できる可能性があると感じるのに対して、ラディフェミ側の人は、タガが外れた獣みたいな人が結構いて、とにかく「限度を知らない」し「会話が通じなさそう」という印象が強い。それを裏付けるように自らも「わきまえない~~」という感じでとにかく敵である男からの話は聞かない、という強硬姿勢をプロフィール等で示している人も見られる


この人たちは、女性差別撤廃のために活動しているという建前を掲げていたが、どうもそうは思えないことが多かった。とにかく攻撃的・暴力的な物言いが多く、また他社は厳しく批判するが、その批判が自分にブーメランになって自分に向けられても全く無視したり言い訳をして改めようとしない。そういうダブスタぶりなどが目立った。

結果として「ネトフェミ」や「ツイフェミ」と呼ばれる人たちの「他者の人権を軽んじる意思がない」言動によって、次第にフェミニズムに対するヘイトがたまっていくことになった。


それでも、ラディフェミ・ネトフェミ・ツイフェミのふるまいは差別と闘うための「必要悪」として認識され、支持している人も少なくなかった

先輩たちは、「きつい」だの「こわい」だの「不満ばっかり」とか言われながら、女性の権利を人並みにしようと頑張ってきたんじゃないの?女だからものを言えない状況があって、女だから性的被害や犯罪にあって、そういう状況をなんだかんだケンカとかしながらも励まし合ってきたんじゃないの?

とか

しんどさから、「もっとはっきりと自分の言いたいこと言っていいんだよ!」と励ましてくれたのがフェミニズムだったんじゃないの?

という形で、一定限度までであれば、過激な態度や強硬的な態度についても、ラディフェミやツイフェミ・ネトフェミが支持されるのは私もすごくよくわかります。それは自衛や戦う意思を示すという意味で必要な事だったと思われます。


フェミニズムの厳しい戦いにおいて、「使い捨ての鉄砲玉」「無法者」みたいなダーティーな存在は必要だという考え方ですね

私はこういう気持ちからラディフェミたちに期待し、それを支持しようとしていた人の気持ちを否定することはしたくないで



必要悪としてなんでも認め過ぎたせいで「悪質な人たち」を排除できず、アカデミズムの世界ですら「内部批判もできない」と認識されていた


よく言われるのが「一人一派」の濫用とか、アカデミズムの人たちへの信頼感の失墜ですね。


一人一派ということで全くなんの制限もなく問題発言をしている人もフェミニズムの中に組み入れてしまったりしたことや、

大学教授である千田先生の「TERF」に関する論文に対しての対応も問題視された。

明らかに問題がある内容でありながら、普段Twitter上でいろんなものを批判しまくってるツイフェミアカウントの皆さんはほとんど批判していなかった。結局LGBT当事者の人や男性のフェミニズム教授である小宮先生からツッコまれるまで動けなかったことなどから、「ツイフェミには党派性しかなく、論の是非を論じる能力がないのではないか」という疑義が突き付けられてしまうことになった。



フェミニズムへの信頼感がガタ落ちになり、かつここ数年のラディフェミやツイフェミたちの暴走が目立ったことと合わせて「やりすぎ」「危険な集団」と認識されるようになってきたのではないか?

もはや「戦闘狂」「他人の権利を土足で踏みにじる蛮族」くらいの認識まで行ってると思います。

画像1

日本での宇崎ちゃん騒動なんかは可愛いもので、アメリカや北米でのWoke文化、行き過ぎたポリコレ、大学での洗脳教育など様々な事例がよくニュースになりました。


これにより、「まともな意見があったとしてもそれ以外のゴミの比率が高すぎる」「頼みの綱のアカデミズムも全く信頼性を担保してくれない」ということで、一気にネットにおけるフェミニズムの勢いが低下していった。


そんなわけで、2020年前半あたりからは、フェミニズムにとってTERFやミサンドリスト、ラディフェミらが不良債権化し、これらの対応がまともにすすまないことによって、でフェミニズム全体の発言力が著しく低下していたと認識している。


つい最近も韓国でのメガリアでは犯罪行為も起きて問題になったり、下の事件のようにヘイトスピーチや、偽情報に踊らされて人を攻撃する集団まで現れるなど、もはや「Qアノン」とかと同じレベルにまでイメージが低下するような事件まで起きていました



「狡兎死して走狗煮らる」なのか、それとも「獅子身中の虫」なのかわからないが、ツイフェミ・ネトフェミはもはやフェミニズム全体にとってネガティブな存在でしかなくなりつつあった

元々は、ラディフェミの方が主役であったはずだ。

しかし、だんだんとフェミニズムにとって都合のいい鉄砲玉になり、ダーティーワークを請け負う汚れた存在になっていった。

実際のツイフェミやネトフェミは、「私たちこそがフェミニズムの戦いを支えている」「私たちがアンチフェミからフェミニズムを守っている」という誇りを持って活動していたことだろうが、この人たちは頑張りすぎてしまったことにより、むしろフェミニズムにとってネガティブな存在とみなされるようになっていった。

こうして、原則論として綺麗なフェミニズムを担うリベフェミと、それを裏で支えていたダーティーなフェミニズムを担っていたツイフェミとの蜜月関係に終わりの時が近づいた。少なくとも、ラディフェミを中心としたネトフェミが、フェミニズムの看板みたいな状態で露出している状態はまずいと多くの人が認識し始めるところまで来てしまった。


フェミニズム全体が地盤沈下していく中で、フェミニズム内での生き残り競争が始まった

実際、ここ最近は「まともな人」ほどフェミニズムを支持できなでフェミニズムから離れていく、という「悪貨が良貨を駆逐する」状態になりかかっていました。

トイアンナさんが「フェミニスト批判」宣言を出したのもそのあたりの雰囲気を察した立ち回りでしょう。

ここまでくると、フェミニズム全体が「危険思想」として敬遠され沈んでしまうという危機感がようやく芽生え始めたのかなと思います。


そして、全体を救うことは不可能なので、社会に受け入れられる部分を残してその他を切り捨てようという生き残り戦略が始まった。

その初手として、リベラルフェミニズム側からラディフェミを中心とした「ネトフェミ」に突き付けられたのが今回の共同声明であろうと思います。

ここから先は

3,153字 / 1画像

■なにをするサークルか マンガワンのようにブログやnoteで書いた内容について「ちょいたし」を行った…

よしきのnote・マグナム

¥350 / 月

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?