「重版出来」読む04 「廃刊」(=企業における倒産と同じ)の経験は良くも悪くも人の働き方を変えるという話
私がnoteで書いてるマンガ感想は、基本的に気にいったシーンをペタペタ貼ってるだけで前後の説明をあまり丁寧にやらないので記事だけ読んでもストーリー全然わからんと思います。これはもちろん「記事読むだけで作品内容わかるから読まなくてもいいや」とならないでほしいからわざとそうしているのですが・・・
さすがにこの巻だけは大枠を説明しておきます。以下で説明する2名の登場人物だけは覚えておいてください。
◇4巻からストーリーが本格始動する
今までは導入として編集目線から看板作家さんや、優等生的な新人作家を見る、という内容が多かったのですが、この巻から作品の中心人物となる作家「中田 伯」が動き始めます。
中田Hの作品をわかりやすく言えば「進撃の巨人」の絵をさらにドヘタにした感じ、をイメージしてもらえばいいと思います。進撃の巨人が2009年連載開始、重版出来は2012年開始なので多少は意識していたのかも知れません。
中田Hは「内心に鬱屈したものを抱えておりその衝動をマンガにぶつける」作家です。ストーリーやテーマに天性の才能を感じるものの現時点ではデッサンが崩れててとても読むに耐えないマンガを描くため、とても編集者泣かせ・・・。
この「荒削りだが可能性の塊」である中田Hに対し編集者はどんな手助けができるのか。二人三脚でどんな作品を世に送り出すことができるのか。これが重版出来という作品のコアになっていきます。
とはいえ今から「進撃の巨人」だともう評価されまくってるので、進撃の巨人をイメージすると「そりゃ成功するでしょ?」となって盛り上がらない。だから下の作品をイメージしながらこの後の重版出来を読んでいきたいです。こういう作品を描く作家さんの作品をどうやって読者に届けるか。そう考えてみたら面白いと思いませんか?
一方で、「東江 絹」という人物が登場します。BL同人あがりで「画力は高いが、設定やネームなどの構成力に難がある。真面目な努力家だが自分に自信がない」という作家です。この人はオリジナルではなく「作画担当」としてデビューを果たすのですが・・・
というわけで、今後この二人はよく出てくると思うので、なんとなくこの二人がメインキャラなんだなーとぼんやり意識しながら読んでもらえると、ストーリーはわからんまでもこの作品のシーンってこういう文脈かな?と多少イメージしやすくなるかと思います。
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