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「リセット癖」と適応障害について



まずは赤坂アカについて

私は推しの子やかぐや様がそこまで好きではない人間で、当然「恋愛代行」もめちゃくちゃ好きというわけではないのだけれど、偶に出てくるこういう表現がめちゃくちゃ好きなんですよね。

「違いに対して敏感」というかどんな人間にもその人なりのロジックや行動原理がある、ということをちゃんとわかっている。

この作者さんは、西尾維新とか辻村深月と同じで、異能者とか変人とか悪人とかマイノリティと言われる人たちについて、「その人たちこそを主人公として描こうとする」ところに最大の味があると思っている。

デビュー作のインスタント・バレットがまさにそういう方向性がむき出しになった作品であり、この作品は売れなくて打ち切りになってしまった。
※この作品はこの作品でめちゃくちゃ好きなので、noteで紹介してもいいですかね…?

でも、今の作品でもそういう要素はかならずある。
「かぐや様」でも、敵役をかならずしも単に倒すべきりかいしなくていい敵としては描かない。「はーさか」みたいな物語的にそこまで必須でないキャラを人気キャラにしてしまうことができる。

私はこういう視線を持った作品がめちゃくちゃ好きなのだ。

こういう目線を感じさせる作者さんいたら、ぜひ紹介してほしいと思う。



最近でいうと、推しの子のミヤコさんの描き方もグッときた。

ひとことで「港区女子」として語られがちで、そういう人の内面って普段当然語られない。同じゲームを戦ってる人たち以外には理解され難い人たち。この理解し難い人たちの動機というか、「この人たちが何のゲームを戦っているのか」を描こうとする。 

(別に本作品の描写が正確で正解だとは思わない。なんなら当事者たちからはバカにされてると思う。実際アイドルオタとかからは「推しの子」の描写は浅いと散々馬鹿にされている。ただ、私はこういう視点を持って描こうとしてること自体が好きなのだ。「我々大衆の目線に合わせない」ところ、当事者たちを主役として、当事者の目線として語ろうとするところが大事だ)

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