見出し画像

653. JAMA記事一気だし5つ

1. Two-Year Outcomes After Minimally Invasive Surfactant Therapy in Preterm Infants

Dargaville PA, Kamlin COF, Orsini F, et al. Two-Year Outcomes After Minimally Invasive Surfactant Therapy in Preterm Infants: Follow-Up of the OPTIMIST-A Randomized Clinical Trial. JAMA. 2023;330:1054-1063.

呼吸窮迫症候群の早産児への最小侵襲性サーファクタント投与(MIST)の長期効果について検討。MIST群に割り付けられた乳児(n = 242)には、細いカテーテルを介してサーファクタント(200mg/kg poractant alfa)が投与され、対照群に割り付けられた乳児(n = 244)にはプラセボが投与された。2歳までの死亡または後遺症は、MIST群で36.3%、プラセボ群で36.1%で有意差なし。2歳までの呼吸器疾患による入院は、MISTで25.1%、プラセボで38.2%で有意差あり(RR 0.66)、親が報告した喘鳴または呼吸困難はそれぞれ40.6%、53.6%で、こちらも有意差があった(RR 0.76)。

2. SARS-CoV-2 Infection and Development of Islet Autoimmunity in Early Childhood

Lugar M, Eugster A, Achenbach P, et al. SARS-CoV-2 Infection and Development of Islet Autoimmunity in Early Childhood. JAMA. 2023;330:1151-1160.

SARS-CoV-2感染と1型糖尿病に関連する自己抗体の出現に関する検討。生後6ヵ月から追跡抗体測定していた、遺伝的に1型糖尿病リスクのある885名(女児441名)が対象。SARS-CoV-2抗体は、中央値18ヵ月齢(範囲6~25ヵ月)で170人の小児に発現。膵島自己抗体はそのうち60人に発現した。このうち6人はSARS-CoV-2抗体陽性と同時に、6人はSARS-CoV-2抗体陽性後の診察で膵島自己抗体が陽性であった。SARS-CoV-2抗体陽性時の膵島自己抗体発症の性・年齢・国別調整ハザード比は3.5であった。膵島自己抗体の発生率は、SARS-CoV-2抗体のない小児では100人年当たり3.5で、SARS-CoV-2抗体のある小児では100人年当たり7.8であった。SARS-CoV-2抗体を有する小児における膵島自己抗体出現のリスクは、SARS-CoV-2抗体発現の低年齢(<18ヵ月)と関連していた(HR 5.3)。

3. Receipt of BNT162b2 Vaccine and COVID-19 Ambulatory Visits in US Children Younger Than 5 Years

Tartof SY, Frankland TB, Slezak JM, et al. Receipt of BNT162b2 Vaccine and COVID-19 Ambulatory Visits in US Children Younger Than 5 Years. JAMA. 2023;330:1282-1284.

5歳未満の小児を対象に、BNT162b2ワクチン接種とCOVID-19による医療機関受診の関連を検討。検査陰性症例対照デザイン。24261例が対象で、2337例(10%)がSARS-CoV-2の検査陽性、1457例(6%)がワクチン接種を受けていた。2337例中76例(3.3%)、陰性コントロール21924例中1381例(6.3%)がBNT162b2を2回または3回接種されていた。ワクチン未接種の小児と比較して、BNT162b2を2回または3回投与された小児の調整ORは、COVID-19関連の救急受診で0.70、外来受診で0.60、合わせると0.67であった。救急および外来受診時にSARS-CoV-2の検査結果が陽性となるリスクは、2回接種者で0.56、3回接種者で0.88であった(3回接種で高くなったのは、オミクロンの時期に突入したからと思われる)。

4. Kindergarten Vaccination Status in California After Changes to Medical Exemption Policy

Delamater PL, Buttenheim AM, Salmon DA, et al. Kindergarten Vaccination Status in California After Changes to Medical Exemption Policy. JAMA. 2023 Oct 2:e2316995. doi: 10.1001/jama.2023.16995.

カリフォルニア州では2016年に就学時予防接種の医学以外の理由での免除が廃止された。その後、医学的免除が増加したため、2019年にカリフォルニア州上院法案276と714(総称してSB276)が可決され、医学的免除に対する州の監視が強化された。カリフォルニア州の幼稚園児のうち、ワクチン未接種者の割合は2019年の5.71%から2020年7.15%に増加し、2021年に6.01%に減少した。医療免除を受けた幼稚園児は、2019年の0.95%から2021年には0.27%に減少した。ワクチン接種の期限を過ぎた幼稚園児は2019年から2021年にかけて増加し(1.48%→2.27%)、ワクチン接種義務のない幼稚園児も増加した(1.62%→2.13%)。条件付き入園者は1.66%から1.33%に減少した。ワクチン接種の期限を過ぎたのはパンデミックのせいだと思われるが、なんや制度がわからんから、全体的によくわからん。

5. Treatment Failure and Adverse Events After Amoxicillin-Clavulanate vs Amoxicillin for Pediatric Acute Sinusitis

Savage TJ, Kronman MP, Sreedhara SK, et al. Treatment Failure and Adverse Events After Amoxicillin-Clavulanate vs Amoxicillin for Pediatric Acute Sinusitis. JAMA. 2023;330:1064-1073.

アモキシシリンクラブラン酸 vs アモキシシリン in 小児急性副鼻腔炎の
データベース研究。傾向スコアマッチング後、患者数は各群99471人となった。治療失敗は全体で1.7%で、0.01%に重篤な治療失敗(救急受診または入院)があった。アモキシシリンクラブラン酸塩群とアモキシシリン群の間で治療失敗のリスクに差はなかった(RR 0.98)。胃腸症状(RR 1.15)およびカンジダ感染(RR 1.33)のリスクは、アモキシシリンクラブラン酸で高かった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?