No.01「たくさんの人達から愛されていた君へ」
初めて君と腹を割って語り合ったあの夜をよく覚えている。
夜道を歩きながらお互いの半生を語り合った。
正直、びっくりするような話もあった。
でもその時、君は破天荒にも見えるけれど、実際は人一倍繊細でとても優しい子なんだなって思った。
そして、僕よりひとつ年上だった君は僕にとって姉貴分のような存在になっていった。
君は僕が知らなかったことをたくさん教えてくれた。
「一緒にインドに旅行しよう」って君は冗談半分で言っていたけれど、僕は本気で行くつもりだったし、とても楽しみにしていた。
でも、突然君は居なくなった。
連絡は途絶えたけれど、どこかで普通に暮らしていると思っていた。
去年、僕は26歳になった。
姉貴分だったはずの君よりも僕の方が年上になってしまった。
26なんてキリの良い数でもなんでもないけれど、僕にとっては残酷で強烈な数字だった。
あんなに胸が苦しい誕生日は生まれて初めてだった。
ある人に言われた。
「しばらく、もしかしたら一生その苦しみは続く」って。
とても苦しいけど、でもそれでいいや。
だって、君がいた日々を僕は忘れたくないから。
一生背負って生きる覚悟はできてる。
今日も君のことが心から大好き。
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