『一庶民の感想』20 つまんない人生
つまんない人生だ。恋はいつだって一人咲きだし、気になるあの子からの返信は帰ってこないし、仕事もうまくいってない。昔からの友達は、順調に人生の駒を進めていて、同棲したり、起業したり、結婚したり、子どもができたりしている。自分だけが同じところをぐるぐる回っている。ここから抜け出したくてもがき続けているのに、足は絡めとられるばかりで、一向に抜け出せないし、抜け出せる気配もない。
叶えたい夢や目標も、叶えたい気持ちが強いものから順に遠ざかってゆく。続けるという言葉そのものが錆びてしまって、もう役に立たない。
幾人もの友の背中を見送り、自分の不甲斐なさに涙し、苦しい思いをして自らを省りみ、次へと繋げる、このプロセスをあと何回繰り返せば、友の背中へ追いつけるのだろうか?愚痴を聞いてくれた友からはついに苦言を呈されるに至った。曰く、お前は真剣じゃない、本気じゃない。
世界で一番好きな人のことを思って、たとえ指一本触れられなくとも彼女の幸せを願い続けた日々が、真剣じゃなかったというのだろうか?会社を黒字にしたくて何百冊もの本からヒントを得ようと寝る間を惜しんだ日々が、本気ではなかったというのだろうか?
何となくきつい人生、毎日だ。やりたいことも霞んで見えなくなってきた。早朝に一人で煙草を吸いに出かける。朝の光が美しい。でもまだ何か燻っている。つまんない人生と足踏みする人生に幸あれ。
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