#野球で人を笑顔に
2023年シーズン終了&現役引退
9月29日、さわかみ関西独立リーグの2023年シーズンが終了しました。もう2ヶ月半も前のことです。
同時に、自身の約18年にも渡る現役生活を引退しました。
不思議なことに、引退してからまだ一度も野球をしたいと思ったことがありません。
良いことですね(?)
野球人生最後の年と決めて臨んだ今シーズン。
おそらく18年で一番野球に時間を費やしたかと思います。
140キロという目標を掲げ、1人でも多くの方に球場に来てもらいたいという思いだけで突っ走ってました。
ですが終わってみると甘い経験は微々たるもので、苦味の強い辛いシーズンとなっていたものと思います。
思うように投げられない。
機会をもらっているのに簡単に打たれる。
和歌山ウェイブスにはいつも球場の手伝いや試合の応援に来てくださる方々がいますが、その方たちに本当に申し訳なく思う試合もいくつかありました。
なんとかして励まそうとしてくれるファンの方に、思わず泣きそうになる時もありました。
それでも一年間全力で走り切れたと言えます。
やっぱりこういった人たちの笑顔が見たかったんですね。
なんとか喜んでもらいたい。
結果を出して恩返しがしたい。
一体何人の人に恩を返せば気が済むのかと我ながら思うけど、そういう人生ってなんか良くないですか。
そういった経緯もあり、正直な話独立リーグに来て初めて優勝したいと思った年でもありました。
野球選手(アスリート)にとって、自分が勝ちに関わっていない試合ほど面白くないものはないと思いますが、そんな一個人の感情よりも、応援してくださる周りの人たちの想いを叶えたい感情の方が強かったんですね。
最終戦本来であれば先発する予定だったにも関わらず、前日になって変更を伝えられた時は流石に一瞬怒りを覚えましたけど、そんなものもすぐに吹き飛んでました。
それだけ周りの人に支えられ、助けられて過ごしたシーズンだったと思います。
年を経るにつれてこの思いが増してきたことに変わりはありません。
ただここまで話してみると甘い部分何もないやないかい、ってなるかもしれないのでプチ自慢。
リーグ選抜として巨人(三軍)相手に登板したり、やっとの思いで自己最速を140キロに伸ばしたりと、日の目を浴びずに積み重ねてきたものが、ほんの少しだけ報われた一年にもなりました。
たった3キロ上げるのに3年かかったんです。
見る人からすると、大したことない。遅すぎる。
そう思うかもしれません。
それでも僕は、この数字を自慢に思います。
でなきゃ僕の努力を認めてあげる人がいなくなってしまうから。
それにこのほんの少しのために努力するのがスポーツであり、競技をする上での至福の時間なんですよね。
試行錯誤しながら育て上げた大事な蕾。
小さいながらも花を咲かせてくれて良かった。
#野球で人を笑顔に
明青学園・上杉達也に憧れて始めた野球。
あれから18年も僕の心を魅了し続けてくれました。
初めはボールを投げるのが楽しくてしょうがなかったのを覚えています。
家の前にある小さな壁に、日が暮れてボールが見えなくなるまでずーっと投げていました。
お父さんが帰ってきてキャッチボールをねだっても、大概外はもう暗くてできないので何回拗ねて泣いたことか。
僕が入っていた少年野球のチームは、土曜日は午後から練習でしたので、その日の午前に友達と野球をして遊ぶなど日常茶飯事でした(笑)
それだけ野球バカだった僕でも、高校〜大学初期、独立初期に関してはあまり良い思い出はありません。
(遊びたい)
(休みたい)
(面白くない)
そんな思いでグランドに立っていたことも短くはなかったです。
もちろん野球も上手くなるわけでもなく、いわゆる負のループに陥ってました。
じゃあなぜ僕が独立リーグで3年間もプレーをしていたのかというと…
【野球で人を笑顔にしよう】
そう、夢が変わったからです。
元々この #野球で人を笑顔に という言葉は、大学時代の同期の主務が考えた言葉です。
その当時から彼がこの想いをどれだけ体現したいと考えていたのかはわかりかねますが、今の僕にとってはこれだけが原動力で野球を続けてこれたといっても過言ではありません。
球場に行けば応援してくださるファンの方がいる。
バイト先に行けば結果が出てようが出てまいが変わらず楽しく接してくれる方がいる。
遠くからわざわざ応援に来てくれる方がいる。
いつしか僕は、自分がやる楽しさはもちろん、人に野球の楽しさを伝えることの楽しさを覚え始めました。
野球には本当に大きな夢があるんです。
取り囲む人全員を笑顔にできるんです。
野球を知らない人にもどうしてもこの事実は伝わってほしいですね。
また、これまで僕が野球を通じて出会った方は数知れず。
チームメイトも然り、そのご家族。
これから一生大切にしていくであろう友人。
一生関係の変わることのない先輩・後輩。
僕を大人へと育て上げてくれた恩師の方々。
特に和歌山(独立リーグ界隈)で出会った人全員に関しては、僕が野球をやっていなかったら絶対交わることのなかった関係なだけに、全ての出会いと経験が僕にとっての宝物です。
僕がここまで“和歌山”という土地を好きになれたのは間違いなく彼ら彼女らのおかげです。
ここまで来て恩返しがしたいと思うのは必然的な流れだと思いませんか。
ただ僕はすぐにはさって恩返しができるとは思ってもいません。
まずは僕がしてもらってきたことを、次の世代の人たちに送り届ける。
そう。恩送りから始めていきます。
そうやって僕が力をつけて、野球以上に活躍している姿を見てもらえたら、それが一番の恩返しになるんじゃないかな。
僕の夢は終わらない!
僕はまだ25歳。
もちろんこれからの人生の方が長いし、まだまだ夢を追い続けていくつもりです。
僕が野球をしていく一番の夢がこの言葉に詰まっており、その思いは野球を辞めた今となっても変えるつもりはありません。
ただこれからは、“野球”という垣根を超えて、スポーツ、さらにはもっと広い世界でもっとたくさんの人を笑顔にしていく。
それが今の僕にとっての大切な夢です。
どんな形でどんな人たちに携わっていくかはまだ明確には見えていません。
ですが楽しみと期待とワクワクと。
とにかく未来に対して明るく前向きに進んでいると最近思い始めることができてきました。
これからは僕の想像を遥かに超える人生が待っていると思います。
おそらく楽しいことだけではなく、挫折することも幾度となくあるでしょう。
それでも一人の人間に深みを足していく上では欠かせないことであり、たくさんの失敗と苦い想いを味わっていきます。
そうやって僕は僕らしく、試行錯誤しながらも多くの人の笑顔を作れる人間になれるよう頑張っていきます。
最後とはなりますがこれからも、
“社会人 田井良樹”
の応援よろしくお願いします!!
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