2018.12.19(水)の稽古の記録

ブログとして公開していたものを転載。京都大学の合気道部の皆さんとの交流記録です。

例年、OB練習会とは別に折を見て稽古にお邪魔してます。今回の稽古では、先日の11月祭で東京大学さんが見せてくれた鹿島の剣術を体験してみました。

「相心組太刀」は、私自身あまり稽古をしたことのない型でしたので、事前に稲葉先生のビデオを何度も見て、ポイントだけ取り出してまずは動いてみることを主眼にしました。

東大さんの演武、予備知識がないと「ふぅん」で終わってしまうかと思うのですが、何をやってるかを一通り知っておくと見方が変わってくると思います。5月の東京遠征の話題に使うのもよいでしょうし、さらに興味がわいた方は、明治神宮の至誠館道場について調べてみるのもよいかと思います。

以下、レジュメの内容を転記します。
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ぶらっと稽古のお品書き
2018/12/19 29代 吉川 聡

鹿島の剣の「相心組太刀(あいしんくみたち)」に挑戦します。ちょっと(というか、ホントはたくさん)準備が必要なので、基本的な動きもさらっとやります。

1.小手斬り・袈裟斬り
 無構えの姿勢。大きく切ってハラで止める(胸を張る)。剣の重心を意識する。
 袈裟斬りは「なでる」軌道にならないように注意。

2.基本太刀から
 袈裟斬り(けさぎり)、足払い浮舟(あしばらいうきふね)、斬割(きりわり)、割突(わりつき、別名突き返し(つきがえし))、位太刀(くらいだち)の5本を体験。

3.相心組太刀
 本当は基本太刀5本、裏太刀10本の後に学ぶ型ですが、今回は「東大さんが演武で何を見せてくれたのか」が少しでもわかるように、という趣旨で「体験」してみます。

(1) 組太刀斬止(くみたちきりどめ)
下八双(しもはっそう)→切り結び→逆で切り結び→右から払いを、剣を立てて落として突きつけ(剣の先っぽじゃなくて重心へ乗っていく)

(2) 組太刀正眼(くみたちせいがん)
下八双(しもはっそう)→切り結び→受け振りかぶるところを正眼で突きつけ→受け正眼を左八双から(ややおおげさに)払い→払いを右に躱して位太刀で突きつけ

(3) 組太刀割付(くみたちわりつけ)
下八双(しもはっそう)→切り結び→お互い籠手を狙って体を開いて切別れ(きりわかれ)→受け突きに行くところを、腰を切りつつ剣の横面をちいさい逆の「つ」を書くようにはじいて突き込み

(4) 組太刀返籠手(くみたちかえしごて)
下八双(しもはっそう)→切り結び→受け、剣を立てて籠手を左から斬るところを、取り、左に捌いて、右足を踏み込みつつ腰は開いて、受けの剣を落として腰を返して相手の籠手に突き付け

(5) 組分倒打(くみわけたおしうち)
下八双(しもはっそう)→切り結び→切分かれて再度切結びつつ間合いを詰めて不動剣(手の甲を思いっきり見せて肘を半月にして相手の剣勢を上に逃がす→二等辺三角形に戻す)で剣の内側に入る→左から押し込んで相手を裏返して下に崩す→左袈裟斬りでトドメ

4.時間があれば体術
(1) 片手取り小手返し
 前腕部の重心を意識して崩してみる
(2) 二人どりで諸手取りから四方投げ
 前腕部の重心で返す動きを、上げないほうの手で実践

黒帯をもらう(=基本技は一通りできるというコト)ということは、「どうやってさらに上達するか」を自分で探すということを考え始めことでもあります。剣術の理合いの中にヒントを求めるのも一つのやりかたです。

-以上-

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稽古の後、一人で体育館横の路地を入ったところにある「まどい」で食事しました。お客さんは私以外には4人組が一組だけ。うーむ。またお休みにならなければよいけど‥。

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