2019.3.30のOB・OG練習会の記録

ブログとして公開していたものを転載。京都大学の合気道部の皆さんとの交流記録です。

平成最後のOB・OG練習会。今回から「・OG」を入れたのは現役の皆さんの意志。いろいろ考えてますねー。

今回は、我々が現役のころにお世話になった野村先生の道場「和心会」の皆さんが5名参加されました。和心会に通われている兄弟OGの高橋さんから事前にお知らせいただいて、せっかくなので野村先生っぽいメニューも加えようと、下の動画などを拝見して予習してから臨みました。出来は…皆さんのご判断にお任せします。

httぴーs://www.youtube.com/watch?v=GcJHK9rrnjU&t=1212s

以下は事前に作成したレジュメに、実際にやった技を追記したものです。

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OB練習会お品書き

2019/3/30 29代 吉川 聡

合気道のうまい下手って厳然としてありますが、一方で物差しの当て方はいろいろあります。

1. 引力と斥力
 うまい人の技って、押したり引いたりしている感じがしないのに、「あれ?」って思ったときには崩されちゃいますよね。引き込んだり押し込んだり、あえて端っこをおさえておいてちょうどいい塩梅を探したり。そんな稽古をちょびっとしてみる。
 
(1) 手ほどき、体の転換、当たる呼吸
腕が平行になるところに入って、手のひらを返す。
引っ張って(引力)離そうとすると力比べになるけど、実は腕を平行にして相手の親指を押しつぶし、(自分から見て)押し出す方向(斥力)へもっていくと相手の手を切りやすい。

(2) 片手取りから表の呼吸投げ
手のひらを返すときに、手首だけで返すよりも、腕全体で返すと相手がついてきやすい、という体験をしてみる。

(3) 片手取りから裏の呼吸投げ
相手の腕の半径の1センチ外側を回すつもりで導く(引力)、と私は昔習ったのだけど、一方で相手に押し続けてもらって相手の中心は攻められないとき(斥力)に、どの軌道なら動くかを探す稽古というのもある、という体験をしてみる。

2. 技術や体の習熟度や稽古の狙い
(1) 一教の諸段階
新入生にはまず手順を。その次に何をやるかが物差しの当て方の見せどころ。
・勇気を出して踏み込む ・踏み込んでも大丈夫な姿勢を作る(鎖骨とか骨盤とか)
・正面へのプレッシャーを(例えば)上へ逃がす

(2) 交差取りから一教(相手の脇を上げるやつ)
・斜め後ろに捌いて相手の手の有効半径の外側で回す(足捌き・体重移動)
・真ん中同士を攻めあうのをちょいとずらして無効化して回す(姿勢の力の伝え方)

(4) 内回転の回転投げの崩しで呼吸投げ
体の転換からすぐに脇に入っていくか、舟漕ぎを存分に使って相手に動いてもらうか。

(5) 内回転の回転投げの崩しから、横面打ちの入身投げ
体の転換から手を持ったまま横面打ちに来る受けに対して、脇をくぐって打ち手を払って入身投げ。きちんと体重移動を伴った横面打ちができるかがポイント。

(6) 片手取りから隅落とし
 相手に対して下向きの力を加えるときに、
 (i) 肘の曲げ伸ばし
 (ii) 上体を傾ける
 (iii) 近くによって膝を抜く

 の、どれが一番威力があるかを再度確認。実際に受けてみるのが一番よくわかると思います。


3. そういうやり方もあるって話(With respect to …)
二教を極められたかのような腕使い。基本技としてはあまりお勧めしませんが。

(1) 片手取りから呼吸投げ
相手の脇に捌いて手を返し、招き猫のような形でわきの下の急所を攻める呼吸投げ

(2) 両手取りから呼吸投げ
胸くらいの位置で取らせて手をグニャグニャにして手首の甲側を張って攻める

(3) 天地投げ
相手が動かずに立ってるときには自分が脇に入っていく。相手が向かってきてくれる時には足さばきで渦巻を描いて相手を中心に呼び込む。

合気道ノートつけてね。書きながら体にむずむずが沸き起こる感じを体験すると人生楽しいです。体の動作を表現するボキャブラリを増やしつつ、簡潔に話ができる訓練にもなると思います。

栗林師範曰く、「技をものにするのに300回、新しいコツを見つけるのに3000回」――受け身の立つところとか一教や座技呼吸法で抑えるところとかで骨盤の角度を意識したりして、回数を稼ぐとたぶんいいことあります。

―以上-


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