2020.1.11(土)のOB・OG練習会の記録


1. 二教の意味
 相手を痛めつけるための関節技だと思うと、肩につけたりするのって不合理ですよね。
なぜ「二番目の教え」なのかをちょっと考えてみます。

(1) 肩につけたところから二教
取り:極めどころの確認と、崩れた相手が自分の重心でコントロールできることを確認
受け:気前よく崩れて、腕の張りを通して相手の重みが自分の重心にきていることを感じる

(2) 片手取りからグーで相手の脇を攻める呼吸(とか、一教とか)
取りの手首・肘が二教を極められてるような形になります。二教の受けで鍛えていると、腕の張りを通して舟漕ぎの重心移動が伝わります。なので「ちゃんと極めてもらう」のって、実は大事な鍛錬なのです。

(3) 突きからの小手返し(とか、六教肘極めとか)
自分の肘を相手の腕の外側に添えてやってみる。二教を極められたような腕の形。
肘極めの場合、相手の腕をローテートさせたい必要性もあって、外側からつかむのが吉。

(4) 正面打ちで一教から二教極めに移るときの舟漕ぎの引き
相手を勝手に立たせず、立ちかけた相手を自分の方へ導いてすとんと二教。コントロールしていない時間をつぶす話の一つのやり様として。

(5) 両手取りから二教
お尻の横でごみをほるような手を作った後、相手の腕の下を潜航するようにして相手の肩の裏に手を進めて、手刀で相手を自分の方に寄せつつ自分の体を落として極めるやり方。(11月祭の私の演武でちょっとだけやりました)

(6) 正面打ちで一教から三教極めに移るときの横浜風捌きの体験
相手の手の甲側からつかんで、相手の手のひら側の手首を伸ばしてあげるように極めながら転換して相手を起こし、持ち替えて三教に極めたりそのまま投げたり。

※自衛隊員の二教(この話は省略しました)
極めて、腹の下に抑えたところでトドメ、というのが基本みたいです。他の敵に備えることと、おそらく野外でひざなど汚したくないことからだと思います。道場では基本的な技のエッセンスを抽出した稽古をしているのだということを再認識しました。

2. 入り身投げバリエーション
(1) 正面打ち入り身転がしからの一教
入り身投げの要領で踏み込んで、相手の打ち手と肩口を通る楕円を回す要領で肩を手前側に導いて倒し、抑えます(個人的に入り身転がしと呼んでます)。
崩す過程で相手が粘っているときに、肘をとって逆回転側に抑えて一教に抑えます。

(2) 正面打ちから入り身投げで、追っかける崩しを体験してみる(これはちょびっと)
踏み込んだ足を軸に相手を導くやり方を基本として教わりますが、反対の足を軸に前に踏み出すような捌きでやってみます。

※目指すところは自在な捌き。一方、何を基本に据えて稽古するかって大問題なのですが、それには選択肢が必要。

(3) 正面打ちから入り身投げで、打ち手に乗る崩し(これは省略しました)
入りが浅くなります。相手の打ち手を伸ばしてあげる心持ちで。慌てなくてよいですよ。

(4) 正面打ちから二の腕を合わせる呼吸(からの、入り身投げ)(これは省略しました)
相手の打ち手の二の腕のへこみに自分のへこみを合わせて舟漕ぎしつつ前足で踏み込む呼吸。
で、踏み込みで軽く相手に圧をかけておいて、転換して入り身投げ。

道歌:
朝日さす心もさえて窓により天かけりゆく天照るの吾れ
-以上-
・・・振り返ってみると「なぜ二番目なのか」って話はできなかったなー。「肘が緩んでいても体重を伝える技術」というとらえ方を紹介したかったのだけど。自分の説明力の未熟さをまたしても感じてしまったのでした。

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