2018.3.31(土)のOB練習会の記録

ブログとして公開していたものを転載。京都大学の合気道部の皆さんとの交流記録です。

更新さぼりすぎました。
毎年、5月~6月に実施するOB練習会で、新入生向けの話をするのですが、今年は6月は16代の先輩方にお願いすることになったので、3月の時点で「新入生に伝えてほしい事」みたいな話をしました。

・・・と、言いながら、実際にやった技は覚えてないので、事前に作成したレジュメを載せておきます。

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OB練習会お品書き
2018/3/31 29代 吉川 聡


1. 新入生を迎えるにあたって(さらりとしゃべるだけ)

(1) 礼法
背骨の積み重なりで頭蓋骨を支える感じで、筋力使わずにいい姿勢で座る。
左足を前にしてすっと立つ、座る。
親指と人差し指の三角に鼻を入れる感じで礼。目線はぎりぎりまで相手を見て。

(2) 準備体操・トレーニング
昔の人の方が優れていたであろう点は、意識して動かす・鍛えるのが吉。
・骨盤の操作、中腰で姿勢をコントロールする筋力(正座、畳や薄い板間での歩行)
・中心軸に沿ってかいなを上げ下げする筋力(剣、鍬、なた)

西式健康法の背腹運動もよいです。
他の道場が、体のどの部分の動きに重きを置いているかは、準備体操を見るとわかりやすいので、メニューを暗記するぐらいの気合いでやってみるとご利益あります。

(3) 見取り
指導演武では、言葉で説明していることをしっかり刻むとともに、
(i) 足さばき (ii) 掌の向き (iii) 腰の動き
を、主体的にチェックする。この順序でチェック能力を鍛えるのがやりやすいと思います。

(4) 受け身
立つところまでが受け身。骨盤を生かして、すっと立ってみよう。

2. 基礎いろいろ(復習)

(1) 片手取り崩しの稽古
お互いに太刀を持っているような体で手を取らせ、中心を攻めてきてもらうのを骨盤と後ろ足で受けて、後ろ足の股関節を意識して骨盤をゆらん、と小さく揺らせて相手を崩す。「半身の強さ」を意識するための稽古。相手を打ち倒す正面打ち(一教運動をする場合など)の時にはこの感覚で体の出ていく力を中心にまとめると有効です。

(2) 片手取りから呼吸色々
(1)の要領でいったん中心で受け止めて、舟漕ぎをするだけでさまざまに変化する入り方ができます。隅落とし風とか、側面入身投げ的なのとか、転換して下に払うのとか楽しんでください。ちょびっと押し合う感じをキープするのがコツです。

(3) 片手取り手ほどきからの安野先生風入身投げ
自分の肩甲骨ずらしながら投げます。腕って鎖骨から始まるって知ってました?

(4) 片手取りで重みの稽古
背筋まっすぐ。体重全部使います。

(5) 片手取りからそのまま横に落として回転投げ
掌を上に向けた状態で持たせて、手を親指側に回しつつ横に捌いて膝をついて、(裏の)回転投げ。

(6) 片手取りからグーで相手の脇を攻める呼吸をちょびっとだけ
(7) 片手取りから一教
(4)の動きを生かして、相手の脇を攻めながら。腹の下に収めるのを忘れずに

(8) 片手取りから四方投げ
回ってしまう相手は、自分の尻を抜く感じで投げるのが吉。

3. 剣術とのからみ(復習も少し)
(1) 抜刀術(切外し)
刀を抜くにも腕だけでは無理。体を開かねばならないのだけど、相手の攻撃をかわしつつ抜く工夫の一つ

(2) 太刀取りで外転換から天秤投げ
(1)の型があるから、こんな捌きができてきたんだと思います。

(3) 切り結びからつばぜりを経由して柄倒し(柄当て)
(4) 打ち倒す正面打ちからの肘を制する呼吸
(3)の要領。相手の打ち手が生きてないと、効かないのですけどね。

(5) 切り結びから抑え込んでくるところを合掌崩し
(6) 打ち倒す正面打ちから側面入身投げ

―以上―

読んでおきたい本(手に取って、ときめかなければまだ読む時期ではないけども。)
「五輪書」宮本武蔵さん
「合気道修行」塩田剛三さん
「弓と禅」or「日本の弓術」オイゲン・ヘリゲルさん

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