2018.7.28(土)のOB練習会の記録

ブログとして公開していたものを転載。京都大学の合気道部の皆さんとの交流記録です。

西進する台風に追いかけられながら、京都に伺って稽古しました。警報が発令される中、集まってくださった皆さん本当にありがとうございました。幸いにして、稽古&飲み会の間は、それほどひどい風雨にはなりませんでした。

むしろ、暑さの方がつらかったので、当初の予定以上に一つの技の時間を短くして、余興の技を挿入したりしながら、運動強度は上がらないけど、頭を使う稽古を目指してみました。
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OB練習会お品書き
2018/7/28 29代 吉川 聡


1. 一回性の皆さんへ(再掲。たぶんしゃべらない。)

(1) 礼法
背骨の積み重なりで頭蓋骨を支える感じで、筋力使わずにいい姿勢で座る。
左足を前にしてすっと立つ、座る。
親指と人差し指の三角に鼻を入れる感じで礼。目線はぎりぎりまで相手を見て。

(2) 準備体操・トレーニング
昔の人の方が優れていたであろう点は、意識して動かす・鍛えるのが吉。
・骨盤の操作、中腰で姿勢をコントロールする筋力(正座、畳や薄い板間での歩行)
・中心軸に沿ってかいなを上げ下げする筋力(剣、鍬、なた)

西式健康法の背腹運動もよいです。
他の道場が、体のどの部分の動きに重きを置いているかは、準備体操を見るとわかりやすいので、メニューを暗記するぐらいの気合いでやってみるとご利益あります。

(3) 見取り
指導演武では、言葉で説明していることをしっかり刻むとともに、
(i) 足さばき (ii) 掌の向き (iii) 腰の動き
を、主体的にチェックする。この順序でチェック能力を鍛えるのがやりやすいと思います。

(4) 受け身
立つところまでが受け身。骨盤を生かして、すっと立ってみよう。


2. 基礎いろいろ

(1) 腰骨押さえから崩しの稽古
骨盤を正面に向けて、腰骨か膀胱のやや上あたりを両手で押し込んでもらう。後ろ足の股関節に圧力がかかるのを意識して骨盤をゆらん、と小さく揺らせて相手を崩す。小さく、ゆっくり揺らすことで、「つながった状態」で相手の攻めをずらします。

(2) 片手取り崩しの稽古
お互いに太刀を持っているような体で手を取らせ、中心を攻めてきてもらうのを骨盤と後ろ足で受けて、後ろ足の股関節を意識して骨盤をゆらん、と小さく揺らせて相手を崩す。「半身の強さ」を意識するための稽古。相手を打ち倒す正面打ち(一教運動をする場合など)の時にはこの感覚で体の出ていく力を中心にまとめると有効です。

(3) 正面打ちのゆっくり一教(表のみ)
額の前で正面打ちを受けた状態で圧力をもらい、 (2)の要領で崩します。相手が落ちていくところへ落としてあげればOK。つるんっと滑らせるのではなく、つながった状態で。
(肩を前後させることで相手の肘を返す動作も意識しつつ)
?

(4) 正面打ちのゆっくり一教(裏)
裏は相手の攻めを露骨にずらすのですけど、そのあと回りながらしゃがむのと、肩もしくは腰で腕のポジションを前後に分けるのが肝要。腕って鎖骨から始まるって知ってました?
(しゃがみながら転換する動作を意識して)

3. 手の角度の意識
16代の先輩がされた転換して隅落としで少し体を動かした後、
(1) 手ほどきからの小手返し風呼吸投げ
前回の16代の皆さんとの稽古で、手を親指の方に回すのがコツ、という話がありました。「手ほどき」は、相手と自分の腕を平行にしつつ、手を親指の方に回すのが基本。
まずは前腕部で、つながりを意識するなら肩甲骨を使って腕全体を回します。
もう一つ、小手返しの重みをかける際、受けの前腕部の橈骨と尺骨の並びによって効き方が変わります。これも「手の角度」の意識。
あと、体重をかけつつ、「舟漕ぎ」するのが、楽に効かせるコツです。
(皆さん元気がよいので、「おきあがりこぼし小手返し」もやってみました)

(2) 突き六法から腕を大きく回す呼吸投げ
    突きを外すときは親指側への返し、投げに導くとき小指側、投げるとき改めて親指側。
(橈骨と尺骨をずらすことで効かせる二教・三教・小手返しを余興として)

(3) 正面打ちから天秤投げ
投げを打つときに親指の方へ手を返す、という話は聞いていると思いますが、鎖骨・肩甲骨を動員することで体軸との連携がとりやすくなります。暑いのでちょびっとだけやってみましょう。

(4) 片手取り四方投げ相手の肘を伸ばす流儀で
相手を舟漕ぎで誘い込みつつ腹の前で親指側に手を返して、相手の体重の一部を自分の骨盤に乗せてあげておいて、四方投げ
    (髪の毛つかませて三教とか四方投げとかを余興として)

(5) 半身半立ち両手持ちから呼吸投げ(できる人はつかんだまま受け身)
座技呼吸法の要領で相手をひるませたら、あとは手の角度の変化を腹(むつかしい人はまず肩甲骨)とを連動させて。親指側に回すのと、小指側に回すのと。


道歌
合気とは万和合の力なりたゆまずみがけ道の人々


―以上―

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