戦争孤児の実像を求めて #3 平井 美津子
『戦争孤児たちの戦後史』(全3巻)の刊行を記念して、編者5名によるエッセイを収録します。
今まで語られることのなかった戦争孤児について、その実態や記述のエピソードをまとめていただきました。
ひとりでも多くの方に、ご一読いただけると幸いです。
原爆孤児の真実を聴きとる
シベリア抑留の体験を持つ詩人・石原吉郎は『望郷と海』(筑摩書房、1972年)の「確認されない死のなかで」に、「ジェノサイドのおそろしさは、一時に大量の人間が殺戮されることにあるのではない。そのなかに、ひ