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祝・池畑祭り

CD :「Just For Live at Kyoto takutaku」Rock’N’ Roll Gypsies (2019年/ RRGP. Records)

2018年10月19日から3日間にわたり、京都・磔磔にて行われた「Big Beat Carnival in takutaku Special 3 days」の模様を収録したライブ盤。ドラムスの池畑の60回目の誕生日を祝った企画であり、ライブ中のMCいわく「池畑祭り」。

ディスク表面の記載を読むと3日間で合計21曲、そのうち16曲をCDに収録。収録曲のラストは下山が歌う「Living on the Borderland」。ライブアルバムの終わり方としてはやや唐突な感じながらも(下山ファンの方、ごめんなさい)、賑やかに盛り上がったのであろう「池畑祭り」の一端がよく伝わってくる。(ちなみに記載によれば、ステージ自体は「夢うつつ」で締めくくられた様子。)

還暦祝いだからといって年配者扱いするわけではないのだが、ロックンロール・ジプシーズ以外のパートも含め、3連チャンというのはさぞかしきついのでは、という心配はまったく余計なお節介。いいぞ、池畑!! とできるものなら叫んでみたい。中日なかび2日目の中だるみもなく、「祭り」の主役、池畑はもとより、花田、下山、市川も揃って最初から最後まで、見事にかっ飛ばしてくれている。

ふつう、金太郎飴のような、というと、均質的でつまらない、といったあまりよろしくない意味合いで使われることが多いものだが、本盤ではむしろ正反対のポジティブな意味で、まるで金太郎飴のよう。頭から尻尾まで、連日どこを切ってもテンション途切れず、一粒口に放り込めば即、クセになりそうな味がする。

特にDay 2の「Lucky Love」がいい。同曲収録のセカンドアルバムから幾星霜、でも基本的には何ら変わっていないように見えるのだが、当時のスタジオ録音より何倍もダンサブルで、迫力あるものに感じられる。跳んで跳ねさせ、放りっぱなしでなく、それをしっかり受け止めてくれる心地よさもあって。こういうのって、単に過ぎた歳月と、場数の多さからやってくるだけのものなんだろうか。思うにちょっとした謎ではある。解明してみたい気もするが、とりあえずは謎は謎のままとっておくべし。恋も、人生も、飴の味も、謎めいている方が面白いことが多いような気がするから。

ところで、この「池畑祭り」の2018年以降、翌年、翌々年にかけて他のメンバー2人もめでたく還暦を迎えたようである。そしてやはり決して年配者扱いするわけではないのだが、メンバーの皆様にはくれぐれも健康で、末永く音楽活動を続けていただきたいと切に願う。

【Just For Live at Kyoto takutaku】 ※カッコ内はCD未収録
Day 1
(ひとつ/Mona)/風の跡/Crazy Romance/You Won’t Be My Friend/危険な日常/光
Day 2
Bumble Bee Twist/只の夢/渇く夜/Ho Train Boogie/黒の女/Honey Bee/(Yo-Yo)/Lucky Love
Day 3
Natural Powered 1/Truckin’/空っぽの街から/Living on the Borderland/(N.W.O/ 夢うつつ)

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