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【映画感想】ヴォルテックス(VORTEX)
行きつけのTOHOシネマズでは観たい映画が無いので、少し遠出して観に行った映画。
誰にでも訪れる終末の姿をリアルに描いており、自分の親や自分自身のこれからのことについて、思いを馳せる良い機会を与えてくれた映画。
以下、ネタバレがあるのでご注意
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まず、意表を突かれたのが、無音の中で、最初にスタッフロールが延々と流れるところ。そして老夫婦が自宅テラスで仲良く食事をとるシーンからの、女性歌手の顔面アップでの歌唱。そして、「心臓より先に脳が壊れる全ての人へ」という不穏なメッセージ。
これから起こる出来事を予感させるような演出である。
そこから、老夫婦のそれぞれの行動が、左右のフレームに分かれて同時並行で流されていく。
隣同士で寝ているにも関わらず、2つのフレームに分かれて寝ている姿が暫く続く。何を観させられているのだろうと思うのだが、先に婦人が起き、トイレに行き、お湯を沸かす。そして夫も起き上がり、トイレに行くのだが。。流されていない。そして家の中ですれ違うが、何も言葉を交わさない。
ここでやっと、婦人が痴呆になっていることがわかる。そして、婦人は外に出て徘徊するのである。
婦人は体は元気だが頭が痴呆になっている一方、夫は頭は丈夫だが体(心臓)が病に冒されているという夫婦。
誰にでも訪れ得る姿、現実を突きつけられる。
このような状況で、老夫婦はどうすれば良いのか?
自分もこのような状況になる可能性は十分あるわけで、その時どうするだろう。
映画では、夫が先に亡くなった後、片方の映像フレームが真っ白になり、婦人側のフレームだけになる。婦人だけが、自宅に一人残されるのだが。。
悲しい結末である。
誰にでも訪れる終末の姿を、斬新な見せ方で、強く印象付けてくれた映画だった。
以上
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