【新・資本主義をチートする15】 日本人の生産性が上がらないのは、ケチでアホだからである
働き方改革だの、生産性の向上だの、これからの企業と働く人の未来についてあれこれ議論されているところですが、「生産性を上げる」なんてことは実はとても簡単で、諸外国ではあっという間に実現できます。
そもそも生産性とは何かを簡単にまとめると
「働いた労力に対して、お金がたくさん得られること」
に過ぎません。
ところが、何を誤解しているのか、日本人は
「おなじ製品をできるだけ安いコストや価格で提供すること」
みたいにすぐ勘違いしてしまいます。
なので、働き方改革に絡めて
「残業をしないで、これまでとおなじ製品量・サービス量を維持しなくてはいけない」
みたいに経営者も労働者も考えてしまうのですね。アホです。
なぜなら、おなじ金額を稼ぐのに、より忙しかったり、労力が詰め込まれた作業をしなくてはならないのであれば、それはもはや
奴隷労働
まっしぐらだからです。
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生産性が高い商品と、生産性が低い商品の比較を行うには、コンビニへ行ってグミの棚を見ればよくわかります。
お菓子のグミの陳列棚には、まあたいてい国産のグミとドイツ生まれの「ハリボー」のグミが並んでいます。
■ ハリボーのグミは100g入りで、だいたい230円ぐらい
■ 国産のグミの増量タイプは、100g入りで、だいたい200円ぐらい
■ 国産のグミの標準タイプは、50gぐらいで、だいたい100円ぐらい
という価格設定になっています。
海外製の菓子類などを扱っているお店にいくとよくわかりますが、ハリボーのグミだけでなく、ポテトチップスなんかは、
「国産の3倍入っていて、国産の3倍の値段」
がすることがほとんどです。輸送費や関税の関係をさっぴいても、基本的に
「高くてでかい」
のが海外製品の特徴でしょう。コストコなんかへ行っても、それはよくわかります。
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仮に、グラムあたりの価格が、国産品と海外品のどちらもおなじだったと仮定して、それでも
「3倍入って3倍高いほうが生産性は高い」
と言えます。なぜなら、客が1回の来店で3倍のお金を落としてゆくのであれば、そちらのほうが絶対に効率がよいからです。
逆に、価格を3分の1にしたことで、客が3倍来店するかといえば、それも絶対にありません。せいぜい2倍はあるかもしれませんが、それでも3分の1の売上をロスしているわけです。
お豆腐で考えましょう。スーパーに行くと、本来98円ぐらいのはずだったお豆腐のとなりに38円の豆腐が並んでいます。49円ぐらいの場合もあります。
38円の豆腐にすることで、鍋の回数が増えますか?
38円の豆腐をあなたは一回の鍋で倍量食べられますか?
ええ、人は半額になったからといって、倍の豆腐は食べられないし、仮に月2回に鍋が増えても、その他のメニューが減るだけです。スーパーから見れば、総売上にはあまり影響がないわけで。
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以前の記事でも書いたとおり、もし価格と内容量を増やす方向に改革し、かつ、ちょびっとでも価格に転嫁できるのであれば、実は給料を2倍にすることだって簡単です。
ということは、机上の空論的には
「製品の内容量を増やし、価格をその分増やして、適正な値上げをすれば、日本人の給料は2倍になる」
ということなのですが、それができない理由はとても簡単です。
日本人がケチでアホだから
ということ以外にはありません。
さて、最近コンビニへ行った人は、せっかく私が例で挙げた「ハリボーのグミ」がなんと!アホなことになっていることに気付くことでしょう。
2019年ぐらいまで「100g入って230円」だった海外のグミは、2020年に入ると
「80gで180円」
ぐらいに変更になっています。量と率はそれほど変わっていませんが、ほんとうに日本人はアホだと思います。
グミが多少安くなったからって、その分たくさんは買いません。そもそも棚の隣に「100円の国産グミ」が山ほど並んでいるのにハリボーのグミを買う人は、わざわざそっちを好きだからチョイスしているのに、なんでほっといても入るお金を少なくせなあかんのか。
ハリボーの国内販売元は、顧客ごと毎回50円ずつ損をしていることになぜ気付かないかなあ。
こんなふうに「販売側」も「買うほう」も
1円でも安いことは善である
ということを疑わないので、日本の生産性は上がらないのです。
そうではなくて
あんたの給料、あんたの売上を1円でも上げるためにはどうしたらいいか
を考えないのは、アホの極みとしか言いようがありません。はあ。。。。
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