見出し画像

曜日の名称は神の名前

前回の記事の続きです。


各言語の曜日の名前

 曜日はラテン語、イタリア語、フランス語、スペイン語で惑星名にちなんで名付けられています。

ラテン系言語の曜日

 火星は「マールスMārs」、水星は「メルクリウスMercurius」、木星は「ユーピテルIūpiter」、金星は「ウェヌスVenus」、土星は「サートゥルヌスSāturnus」とラテン語で命名されています。
 イタリア語、フランス語、スペイン語の曜日名も基本はラテン語に従っています。ただし、月曜日から金曜日まではすべての言語で同じ意味であるものの、土曜日と日曜日はラテン語とイタリア語、フランス語、スペイン語とで異なっています。これは、ローマ帝国へのキリスト教の布教により、後から土曜日と日曜日の名称が変更されたことを示しています。
 なお、日曜日に相当する「主の日」は、英語名「ドミニクDominic」、スペイン語名「ドミンゴDomingo」やドミニコ修道会、ドミニカ国と語源的につながっています。
 ところで、英語での曜日はラテン語圏とまったく異なる呼び名になっています。しかし、どこから名付けられたのかというとローマから輸入されたものです。北欧の神々とギリシャの神々、ローマの神々を以下のように対応づけることで英語における曜日の名前としたものなのです。北欧の神々と曜日については以下の記事で詳述しています。

 オーディンがユーピテルではなくメルクリウスと関係づけられているのは面白いですね。

神々の対応

 ユピテルとウェヌスについては以下の記事で触れています。

日本への曜日の導入

 日本への七曜の導入は、公式には明治6年の太陽暦採用と同時に行われました。ただし、伝来そのものは空海が宿曜経を唐から持ち帰ったのが最初です。インド占星術の内容が中国に伝わり、唐の僧によって訳されたもののようです。
 日本では、曜日は明治になるまで公的に使用されるものではなく吉凶の占いに使われました。「曜日で吉凶を占う?迷信かよ」と笑うかもしれませんが、そもそも曜日自体が占星術由来のものですし、それどころか私たちは今でも曜日の迷信に縛られています。
 日本には、七曜とは別に六曜という暦注がカレンダーに表示されています。六曜とは先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口という6つの曜日を循環させてその日の吉凶を占うものであり、今でも大安や仏滅などは特に気にされていますね。大安の結婚式が好まれ、仏滅が忌避されるのは、まさに迷信と言わず何なのでしょうか。
 六曜は、旧暦の各月の初日が何曜日から始まるか決まっており、旧暦の太陽太陰暦に合わせて配置されるので、グレゴリオ暦で作られたカレンダーからは単純に循環せず、不規則に変化しているように見えます。しかし、旧暦でみるならば毎年同じ月の同じ日は同じ曜日であり、たいして根拠がないことは明らかです。
 六曜の正確な起源は不明ですが、鎌倉時代には中国大陸からもたらされ、名称や解釈が変わりつつ江戸時代に流行しました。仏滅などが入っているので、一見すると仏教に関連するものかと思ってしまいますが、仏教は関係ないです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?