ユリウス・カエサルとジュリエットはユピテル神
カエサルといえば、共和政ローマの独裁官ガイウス・ユリウス・カエサルで知られていますが、彼の氏族名「ユーリウスIūlius」とはいったいどんな意味があるのでしょうか。
ユリウス・カエサル
ユリウスという氏族名は、ローマ神話の主神「ユーピテルJūpiter」に起源を持つ名前です。ユーピテルを聞いたことがない、という方も、ユーピテルを英語読みしたジュピター「木星」は知っていると思います。
ユリウスは古いラテン語の「ヨウィリオスJovilios」の短縮形であり、その意味は「ユーピテルの子孫」です。Joviの部分はユーピテルを指しており、ジョヴィはロック・バンドの「ボン・ジョヴィBon Jovi」の構成要素としても知られています。ボーカルのジョン・ボン・ジョヴィの本名は「ジョン・フランシス・ボンジョヴィJohn Francis Bongiovi」で、Bongioviはシチリア語で「善きユーピテル」を意味します。
ユリウスの英語名は「ジュリアスJulius」「ジュリアンJulian」です。ユリウス・カエサルの英語読みであるジュリアス・シーザーは耳にしたことがあるのではないでしょうか。ジュリアンはユリウスから派生したラテン語名の「ユーリアーヌスJūliānus」に由来しています。
フランス語名は「ジュールJules」です。FIFAワールドカップの初開催に尽力したジュール・リメは、ワールドカップのトロフィーの名前になっています。
スペイン語名は「フリオJulio」です。シンガー・ソングライターのフリオ・イグレシアスが有名です。
イタリア語名は「ジュリオGiulio」「ジュリアーノGiuliano」、ロシア語名は「ユーリィYulij,Ul'y」です。ポルトガル語名は「ジューリオJúlio」です。元ブラジル代表のサッカー選手だったジュリオ・セザールは、ユリウス・カエサルのポルトガル語名になります。
ジュリエットもユピテル
ユリウスは女性名もよく知られており、英語名は「ジュリアJulia」「ジュリアナJuliana」で、女優ジュリア・ロバーツやジュリアナ東京などで知られる名前です。ジュリアに指小辞-etがついた「ジュリエットJuliet」は、「ロミオとジュリエット」でよく知られています。
ドイツ語名は「ユリアJulia」、ロシア語名は「ユーリヤYuliya」です。「北斗の拳」のケンシロウの許嫁ユリアはジュリアのドイツ語名かロシア語名ではないかと考えられます。
フランス語名は「ジュリーJulie」、イタリア語名は「ジュリアGiulia」「ジュリアーナGiuliana」「ジュリエッタGiulietta」、スペイン語名は「フリアJulia」です。
ローマ神話は、ギリシャ神話と融合していったため、ユーピテルはゼウスと同一視されます。したがって、ゼウスの子孫はユーピテルの子孫であることになります。
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