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プロジェクト・ポートフォリオマネジメントの解説本

変化の激しい時代、プロジェクトが増加の一途をたどる中、経営戦略に整合した正しいプロジェクトを見極めて実行する「プロジェクト・ポートフォリオマネジメント」が欧米を中心に注目を集めています。
海外では世界標準が普及し解説本なども多くあります。(以下の写真は例)

世界標準書や解説本(洋書)など

ただ、残念ながら現在日本語で解説する書籍は少ない状況です。
このプロジェクト・ポートフォリオマネジメントは日本でも有用な手法であることは間違いありません。また、複数のプロジェクトを束ねて経営戦略に整合した成果を創出するプログラムマネジメントの導入も注目を集めています。これらを日本の企業・組織においても取り入れてご活用いただくために、概要だけではなく実践するにあたって参考になる内容を盛り込んで出版しました。是非お読みいただき参考にして頂ければ幸いです。

本の概要

近年、多くの企業では外部環境の激しい変化(感染症、長引く不況、紛争など)に直面し、ビジネスの維持・発展のために経営戦略・経営計画を立て、既存事業および新規事業への取り組みを実施しており定常業務に加えて多くのプロジェクトを立上げて実行しています。今やプロジェクトの成否が、企業の成長を左右するといっても過言ではありません。

「プロジェクト・ポートフォリオマネジメントの教科書」図表1-3より

皆さんが所属されている企業・組織でも、以下の図のような多くのプロジェクトを実行されていることかと思います。

ただ、これらのプロジェクトが失敗に終わったり、無事完了したとしても経営にどう貢献したかが曖昧ということがあり、プロジェクト関係者の相当な努力にも関わらず結果的に投入した多くのリソースが無駄に終わってしまうこともあります。

近年ではプロジェクトマネジメントの豊富な経験と知識を持ったプロジェクトマネージャーやPMOなどが増えており、以前に比べプロジェクトの成功率は高まっていると言われていますが、次のような要因でプロジェクトが失敗に終わることもあります。

本書では、企業の経営者・役職者、プロジェクトマネージャーおよびプロジェクト関係者に向け、経営戦略・経営計画と整合した正しいプロジェクトを見極めて実行し成果につなげる世界標準のマネジメント手法「プロジェクト・ポートフォリオマネジメント」について解説しています。
プロジェクト単体での取り組みではなく、企業・組織の視点から、上記のプロジェクトの主な失敗要因に対応した、プロジェクト型組織や人材育成を含め実践レベルに落とし込んだ内容を盛り込んでいます。

この分野の専門家である筆者が、経営者およびプロジェクト関係者双方の視点で、具体的な手法を交えて分かり易く解説しています。

本書の構成

CHAPTER 01 今なぜポートフォリオマネジメントが必要なのか
 ⚫︎ なぜ今「ポートフォリオマネジメント」が必要なのか
 ⚫︎ プロジェクトが不可欠となり増加している
 ⚫︎ プロジェクトエコノミーの到来
 ⚫︎ プロジェクトが成功しないのは何故か
 ⚫︎ 経営戦略実践の鍵となるポートフォリオマネジメント
CHAPTER 02 ポートフォリオマネジメントの概要
 
⚫︎ ポートフォリオマネジメントとは
 ⚫︎ ポートフォリオの構成要素(ポートフォリオコンポーネント)
 ⚫︎ ポートフォリオマネジメントの全体概要
 ⚫︎ ポートフォリオマネジメント実行における活動
 ⚫︎ 心掛ける七つの基本的事項
 ⚫︎ 主なマネジメント領域
CHAPTER 03 ポートフォリオコンポーネントの実践手法
 ⚫︎ ポートフォリオコンポーネントの実践手法
 ⚫︎ 個別プロジェクトの目標設定
 ⚫︎ プロジェクトの確実な実行
 ⚫︎ プロジェクトの振り返り(教訓を得る)
 ⚫︎ 複雑化に対処するプログラムマネジメント
 ⚫︎ プログラムマネジメントの概要
 ⚫︎ プログラムマネジメントの実践例
CHAPTER 04 経営戦略に整合したプロジェクトの見極め手法
 ⚫︎ 経営戦略に整合したプロジェクトの見極め手法
 ⚫︎ 経営戦略・経営計画を知る(中期経営計画概要の調査結果)
 ⚫︎ 中期経営計画の目標とプロジェクトの成果との整合
 ⚫︎ 中期経営計画におけるプロジェクトの優先順位付け
 ⚫︎ 投資・回収の観点からのプロジェクトの優先順位付け
 ⚫︎ 優先順位付け結果に基づく対応
CHAPTER 05 ポートフォリオマネジメントを実行する組織
 ⚫︎ ポートフォリオマネジメントを実行する組織
 ⚫︎ 従来のオペレーション中心組織の限界
 ⚫︎ 近年の代表的な組織形態
 ⚫︎ プロジェクト型組織
 ⚫︎ オペレーション型組織とプロジェクト型組織の両立・連携
 ⚫︎ プロジェクト型組織の維持・発展
CHAPTER 06 ポートフォリオマネジメントに必要となる人材育成
 ⚫︎ ポートフォリオマネジメントに必要となるスキル
 ⚫︎ 人材の育成
 ⚫︎ 外部の力を借りる
 ⚫︎ 資格取得のすすめ
 ⚫︎ ポートフォリオマネジメントの国際資格(PfMP®︎)

「プロジェクト・ポートフォリオマネジメントの教科書」目次より

筆者紹介

尾﨑 能久(おざき よしひさ)
Yoshihisa Ozaki, PfMP®, PgMP®︎, PMP®︎

1986年同志社大学工学部を卒業後、横河北辰電機(現 横河電機株式会社)に入社。主に石油精製および石油化学プラント向け制御システムの技術提案および導入プロジェクトに参画。40以上の大規模プロジェクトを担当しプロジェクトマネジメントの経験を積む。
2007年からは、GE HealthcareのヘルスケアIT事業において、システムコンサルテーションのリーダー、プロフェッショナルサービス部門(プロジェクトマネジメント、PMO等)の日本の責任者などを歴任。
2019年からは、富士フイルムグループ(メディカル事業)の事業会社である、富士フイルム医療ソリューションズ株式会社の取締役をつとめている。

また、世界最大のプロジェクトマネジメント協会(Project Management Institute)が認定する、Portfolio Management Professional (PfMP)®︎, Program Management Professional (PgMP)®︎, Project Management Professional (PMP)®︎ の3つの国際専門職資格を持つ日本では限られた専門家として活動をしており、時折講演やセミナーの講師をつとめている。
Project Management Institute (PMI) およびPMI日本支部会員。
PMI日本支部ポートフォリオ・プログラム研究会所属。

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