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4話-クソ練習するやつ〜凡人がカタチになるまで

ボクシングジムに
こんにちはー!と入ったら挨拶はしてくれたけど、ジムの人たちは、まじ怖い目をしてて、空気はピリピリ感満載で、明かに俺よりも年上の人たちが大量の汗をかきながら血に飢えた顔でボクシングをしていた。

俺は間違ったところへ来てしまった笑
頭の92%絶望だった。
(イメージ図)

この頭狂った人たちとなるべく関わらないように練習しようと思った笑
(ウソです。先輩すみません笑)

その中にポツンとkanaiという当時流行ってシャカシャカを着ていたのが森本先輩だ。

頭おかしい軍団の(笑)中でも圧倒的に練習をしていた。

見た瞬間、俺は思った。

カッコいい…

今もそうだが、死ぬほど努力している人は魅力的だ。

自分は森本さんのように同じぐらい練習ができるのだろうか?自分に問いかけてみた。

ムリだ!いやムリじゃない!
ここまで努力するのが怖い!

まーとりあえず、カッコいい森本さんに話しかけよう。
そんな時ちょうど洗面所で森本さんと出会った。

信じられないほどの息切れと体から湯気が出てきた笑

俺は不思議に思った事はすぐに聞くタイプだ
「なんでそんなにがんばるんですか?」

森本さんは速攻答えた
「えっ俺弱いからだよ、だから練習してるんだよ」

えっなに?えっ、くそカッコいいじゃん。森本さん。

親友のさとると本格的にはまだボクシング出来ないので、いつも永遠と基本練習をしていた。
基本練習とは鏡に向かってジャブ、ワンツーのみをただひたすら完璧に言われたことをし続けることだ。

意識をしたらできるのだけど、これを無意識レベルまでできるようにする為に長い時間をかけて体に染み込ませてきた。

なので引退した今でも基本の構えは完璧に近い。
しかし森本さんの方が基本練習にかけていた時間が長いと思う。
なぜなら森本さんの方が基本が完璧だからだ。

ボクシングをするときに皆さんには思ってほしい。
2話でも話したが
すぐにできるパターン
まったくできないパターン
を2つ頭に入れといた方がいい。

何でもそうだと思うけど、
ボクシングは難しい
正確に言えばカッコよくしようと思ったら簡単じゃないぜということだ。

すぐに僕がやっているレベル
森本さんがやっているレベルになれると思っている人は少なくない。

僕や森本さん、あっ俺の親友、さとる。はみんながゾッとするぐらい基本動作をやってきた。

大事なのはすぐできるかどうかではなく、
それをコツコツできるかが大事だ。

ときにはすぐできるようになりたい!って思う事は正直自分にもある笑
そんな時は自分にいつも問いかけている。
それ相応の辛さは我慢できるか?と。

その覚悟を持って挑むようにしている。

やはり多くの人ができないことをできようと思うとそれなりにしんどい思いはついてくるんじゃないかと。

そして多くの人ができないことができればカッコよく思えてくることが俺には多い。



憧れの服

森本さんと会えば話せるようになって、勇気を出して言ってみた。
「森本さん、森本さんが着ている服が欲しいです。そのシャカシャカが」

森本さんは速攻で答えた。
「えっボロいけどいいの?」

「全然okです!下さい!」

もらった次の日からそのシャカシャカを着るようになり練習をしていた。

しかしこのシャカシャカを着る期間は1、2ヶ月で終了した。
森本さんの言う通り、ほんとにもうボロボロだったのだ笑



ある日地獄がきた笑

頭の狂った人たち(笑)森本含む
と練習しろという指示だ。


グッバイ、長尾…

俺はそう思った。

シャドーボクシングをしている最中コーチから言われた

「おい!長尾!ワンツーばかりじゃなく、フックももっと打て!」

俺はフックを打たなかった。いや打てなかった。

そう、長尾はフックを習ったことがないのだ笑

「すみません!フック習ったことありません」

「じゃあ皆のマネしとけ」

そう、ボクシングというのは教えてもらうものじゃないのだ。(基本動作は教えてくれたらいいと思う)

見てパクらなければ、すぐにネタ切れをし、やられるのは自分。
やられたくないし、目的は日本一になる事だったので、見てパクリまくってやった。
何度もパクったのを実践し、コーチに怒られながらトライをしまくっていた。

怒られるから何もしないではない。
怒られるのはトライをしてミスったから怒られるのだ。
だから自分の子どもにはよく言っている。
「いっぱい挑戦しろ」
失敗しても挑戦したことに関しては怒ったりはしない。むしろナイストライと褒める。

大人になっていくにつれてトライをする数が減ってくる。
しかし勇気を出してボクシングを始めてくれたみんなに基本動作ではあるがボクシングがカッコよくなれるようにお手伝いしていきたい。


高校の先生(恩師)

ボクシング始めて数ヶ月で辞めたくなった。
むしろもうやめたるという気合満載だった。

そんなある日に井上先生にあることを言われる
(当時担任の先生)

長尾ボクシングがんばってるらしいじゃねーか!
マジ頑張れよ!応援してる!

???が浮かんだ。
なぜこの人は俺を応援してくれるんだろう。
もうやめようと思ってたのに。

そう、俺は小学生からサッカーをしていて個人的に「長尾がんばれよ」と言ってもらった記憶がないのだ。チームのメンバーとしてみんながんばれよは言われたけど。

なんで何も知らない俺なんかをこんなに応援してくれるんだろうと思った。

でもまぁとにかく、そう言ってもらったし、
こんなところでやめたら
くそカッコ悪い…
とにかく無難にボクシングを続けて、井上先生を裏切らないようにしようと思った
(その当時の彼女(さやかちゃん)に辞めたっていうのが恥ずかしくて辞めなかったというのもある笑)


練習をサボり始める

もともと俺には強い意志があったわけではない。
意思が強いのは森本先輩だ。
俺はいつもどう怠けてやろうかと考えていた。

3日に1回しか行かない時だってたくさんあった。
(森本さんは毎日練習)

ある時に違う先輩、薮内さんに声をかけてみた(現・淀江スポーツクラブのオーナー)

すごい怠けたいんですけど、薮内さんは練習好きですか?

練習?嫌いに決まってんだろ。もう毎日ため息ばっかで来てるわ笑

ではなんで毎日来れるんですか?

1日休んでも2日休んでも、どうせ変わんない。
どうせいつか練習しないといけないんだから、あんま考えず練習しちゃうんだよ!
どうせキツい練習するんだから、やったるわーって気持ちで長尾もいけ!って。

なるほど!


1日の楽しみ

1日の楽しみは1つしかない。

練習終わりに近くのスーパー(いしかわ笑)に行きジュースを飲むことだ。

自動販売機は高いから、ジュースはスーパーで買うべし。

高校1年生の時はよく森本さんとさとると3人でジュースを買いに行ってた。

これがびっくりするぐらいウマクテ、俺はよく午後の紅茶ミルクティーを買っていた。

今でも午後の紅茶ミルクティーを見るとあの日を思い出す。

あっ半年前に久しぶりにいしかわ行ったら高校生の時にレジ打ちしてくれてた仲良しのオバちゃんが俺を覚えててくれててマジ感動したな!
今は亡き、いしかわ…
青春のスーパーが…

そして時は経ち初めての試合に挑む 続く

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