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JK<準備と確認>で人生が変わる


世の中には二種類の人間がいる。見える部分に目を向ける人と、見えない部分に目を向ける人。

エラーなどをした時に「グラブの手入れをしていなかったからボールを弾いた」、「スパイクの手入れをしていなかったからつまづいた」などと言い訳をしたくなる。しかし準備、つまり人からは見えない部分に力を入れている人にはそのようなミスは起きない。そのような準備をしっかりとしておくことで、試合が終わった後にも後悔が残りにくい。「準備」というのは、言い訳の材料を排除していく作業である。

何をするのにもJK、準備確認が重要である。


・第1章 北照のJK

元々関西の選手が多く、道民からの人気が低かった上に、不祥事が重なり、無期限の活動休止になってしまった北照の野球部。
復活のためにまず取り組んだのは、挨拶と道具を丁寧に扱うこと。挨拶は語尾までしっかりと言い切ること、道具は少しでも長く使えるように丁寧に扱い、バットも両手で丁寧におくことを徹底した。
また、選手が守備に着くときは遠回りでもファールゾーンを走り、少しでも内野の土が荒れないようにすることでイレギュラーを防ぐように取り組んだ。

・第2章 星稜のJK

松井秀喜のコメント。「今までの星稜だったら、智弁和歌山に負けておわり。甲子園での死闘は敗者になった。あの試合に勝てたことは、今までの星稜の歴史を変えてくれたと思います。でも、ここで優勝できないのが星稜。母校のそういうところも大好きです。」過去幾度もJK不足で敗者になってきた星稜。

ATKー最悪、最低限、最高を考える
今の状況でのATKを考えることが大切である。これにすごく共感できる。ぼんやり打球を待っていて飛んできてから対応を考えているようでは遅い。ATKを考えた上で、「この方向にこんな打球が来たら◯◯へ送球しよう」と考えておく必要がある。そのようにしてイメージしておくだけでも身体の動き方は必ず変わると思う。

ドアを最後まで閉める
「ドアを最後まで閉めずにバタンとする人は最後までやりきる習慣がない」
多少極端かもしれないが、わかる気がする。普段から物音を大きく立てる人や周りが見えていない人は、「ここぞ」の場面でも必ずそのような弱さが出てしまうと思う。何か直したい癖などがある場合、普段から意識していく必要がある。

林監督「結局、JKは不安を取り除くこと。」
やっぱり、「あれやったほうがよかった」とか「昨日素振りしていない」とかがあると直接結果に影響するか分からないが、不安が起こる気がする。そのような不安を取り除くことで、より試合に集中できるし、結果が出なかった言い訳ができず、自分自身の成長につながると思う。

JKを徹底すれば、成功の確率が高くなるかは分からないが、必ず失敗の可能性は低くなるであろう。

・第3章 山瀬慎之助のJK

捕手としての練習の際は必ずフル装備で行うようにした(試合を想定して)。

・第4章 奥川恭伸のJK

・第5章 帯広農のJK

・第6章 マネジャーのJK

「作業」ではなく、「仕事」をする
マネジャーにとってお客様に飲み物を出すことは単なる作業かもしれないが、自分がお客様の立場になって考えることが大切。真夏で汗をかいているのに熱いお茶を出したり、飲み物がなくなっているのに声をかけなかったりするのは失礼である。
自分が客の時は、飲み物は選べた方が嬉しいし、紙コップであっても、メッセージが書いてあれば、なお嬉しいはずである。ほんの些細な気遣いであるが、そのように心遣いで人の心は動かされるものである。

来客の特徴を記録する(中京大中京)
高橋先生「2回目以降に来られたお客さんは「この人はブラックコーヒーだった」とか「砂糖だけ入れた」と覚えておいて、それをお出しすると喜ばれるんじゃないか」
これも些細な気遣いであるが、自分が当事者になった時に、「あ、前回のことを覚えてくれているんだ」と嬉しい気持ちになることは間違いありません。

電車で想像力、観察力を鍛える(中京大中京)
時間帯や服装を見て、この人はどの駅で降りるかを想像する。服装、メガネ、髪型、靴、話し方、スマホの扱い方、雰囲気、時間帯、曜日など得られる限りの情報を駆使して、想像する。それを続けていれば何らかの法則性が見つかるかもしれない。
相手に喜んでもらうためには、相手がどんな状況なのかを観察し、相手の心理を想像して動くことが大切。こんなことを普段から考えているマネジャーがいる中京大中京は恐ろしい。尊敬する。

・第7章 強豪校、一流選手のJK

睡眠不足にする(聖光学院)
あえて睡眠不足の状態で試合に臨む。実際の大会中は真夏にあるので暑さで寝れないことがあるかもしれない。そのような時にどういう対処をすればパフォーマンスを高めることができるのか、一度でも体験でも体験をしておくと、実際にその場面に遭遇しても慌てることなく対処できるだろう。

ブルペンではさまざまなボールを使って投げる(龍谷大平安)
メーカーの違うボール、傷んでいるボール、綺麗なボール、ニューボールなどを混ぜて、そこからランダムにボールを選び、投球練習を行う。

京都では久保田とミズノが併用され、3回戦以降はミズノのみとかがあるそう。確かにボールによって滑るとか手に馴染むとかはよくあることなので日頃から慣れておくことは非常に重要だと思う。ボールの感触にまでこだわるとは、、さすが歴代最多出場校、平安。


私が野球をやっていた頃、「グローブを磨いていない」、「スパイクを磨いていない」、「昨日素振りしていない」などよくあった。練習で疲れていてそれらをやらなかったのだと思うが、振り返ると完全に準備不足である。確かにそれらをしなかったから結果に直接影響したケースは少ないと思う。しかし、準備不足であることは自分が一番わかっている。グローブをはめる際、スパイクに履き替える際、心の中で「あ、昨日手入れしていないな」と気づく。その時点でどこか自分に負い目を感じているのである。反対にしっかりと手入れをした次の日はグローブやスパイクをしようするのが楽しみな自分がいるものである。準備は大切だ。

もう今は高校時代のような一瞬一秒に全てを捧げるようなことはほとんどないが、何をするのにも準備は重要である。わかっていても時間が経つと忘れてしまう。
この本を読んだことで再度JK、準備確認の重要性を思い出すことができた。

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