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平屋を建てる 2週目

20240428記

月曜日。工務店のYさんから連絡があり、水道の口径についての確認依頼だった。メーターが13Aだった、20Aに変更しますか、費用は概算で20万円ほどするがどうしますか。訳がわからない。が、判断を求められている。とりあえずネットで調べて、水道局で手続きもできるようだが、時間と手間を考えるとYさんにお願いしたほうがよい気がした。つなぎ融資にかかる費用といい、何かと予算が膨らむ場面が多く、戸惑うのだが、結局、受け入れるのだった。

土曜日。購入した土地はすぐ近くに大きな池(面積は8,400㎡だそうだ)があり、そこを見下ろす高台に位置している。池全体が市の公園になっていて駐車場が無料で使える。車を停めると、坂道をあがり土地に向かう。今週はどれだけ作業が進んだのか、どんな作業がなされたのか。そしてどんな報告文(このレポートのことだ)が書けるだろうか。わくわくにそわそわも足された妙な気持ちで土地に向かう。

果たして、土地は平たい長い杉板で囲われていた。先週の杭と糸で囲んだそのまわりをさらに板で囲む形で、よりはっきりと建物の外周が明らかになっていた。コンクリートの基礎をつくるにあたり、正確な位置を決めるための板枠であり張り糸であるようだ。狭いかなー、と小さいほうの正方形の板や糸で区切られたスペースを見ながら、今回も妻が言った。うーん、小さいかもね、と僕も同調した。でも、それ以上はなにも言わなかった。

僕たちは土地を2区画購入していて、その2つは隣り合わせではあるものの、間に1mほどの高低差がある。高台から池に向かって緩やかな下り坂になっていてその中腹に位置する土地なのだ。高台の道路から土地へは車で入っていくことができず、階段を歩いて降りなければならない。車が入れないという理由で僕らの土地は高台エリア全体の相場からすれば破格と言ってよい価格になっていた。2区画買ってしまおうと思い切ってしまえる価格だった。

2区画購入することで建物の計画は平屋になった。僕たちは平屋に憧れていた。せっかく住むなら建てるなら、できれば平屋がいい。妻はマンション暮らししかしたことがなく、僕の実家は2階建てのミサワホームだったけれど、住みたい家のイメージは2人とも圧倒的に平屋推しだった。

大きい方の正方形が2つの土地をまたぐ形で突き出している。上の土地、下の土地と呼ぶとすると、上の土地にまず小さい正方形が建ち、少し間をあけて今度は大きい正方形が並んで建ち、下の土地まで飛び出している。その間は玄関を兼ねた廊下になっていて2つの正方形をつないでいる。だからコンクリートの基礎も2つの土地をまたぎ、かつ、1mの高低差を埋めるように作ることになる。

2つの土地の間には古いコンクリート壁があって、その上半分ほどが崩されていた。上の土地の地面の端の断面がむき出しになり、雑草の根がびっしりと入り組んでいるのが見えた。ここへ新しいコンクリートが流されて僕たちの家の基礎が作られる。壁を崩した際はそれなりに大きな音がしたのかなと周りの住民のことが気になった。工事が始まる前に近隣の家に挨拶に行ったので、その時に出会った顔がいくつも浮かんだ。

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#建築家と建てる
#家づくり

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