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映画という必然について

映画は特に邦画、洋画、ジャンル等決めずに観ているのだけど、特にこの1か月で観た邦画の2つが素晴らしかった。

ひとつは『ナミビアの砂漠』と、もう一つは『ぼくのお日さま』

『ナミビアの砂漠』は河合優実という俳優の所作の美しさと、それを効果的に撮るカメラワークやカット割りのうまさが観ていてゾクゾクするほどで、まるでアクション映画のようでもあった。そして、撮る人、撮られる人との間で完全な信頼関係のもと迷いなく撮られている、必然性のかたまりに触れるような映画だった。

『ぼくのお日さま』は、北の国の秋から春まで。つまりどんどん景色が白くなっていき、そしてそれが春になって溶けて行く景色のもとに描かれていく。全ての場面がどこを切り取ってもそのままポスターになるような、色のバランスと構図であり、何より光の美しさ。登場人物が着る服の色彩までにそれが貫かれており、ここまで完璧な必然性を持った色彩の映画もあまり記憶にない。

映画館での上映はもう終わって行くのかもしれないが、家やスマホ、タブレットで観る時は、なるべくあかりを消して周りの色を入れないようにして、ヘッドホンで聴きながら観てほしい。

必然性に触れることはとても刺激的で、満ちあふれた多幸感のようなものを感じられる。必然とはとても美しいことでもある。映画とは必然の提示であり、観客はそこに触れることで自分自身の中にある必然を再確認し、自らの生になんらかの作用をさせたいから観るのだろう、ということを再認識した2つの映画だった。

人生とは偶然の連続であり、偶然に翻弄されるものであるけれど、その中に必然を見出し、必然を感じることの中に主体性があり、生きる意味もそこにあると思う。

そんなちょっとおおげさなことを感じさせられたのがこのふたつの邦画であり、しかも2週続けて観た映画であったことがとても素晴らしく、幸せだと思った。

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